太陽系のスペア部品
2011年11月11日

太陽に最も近い惑星である水星、金星、地球はすべて同じような材料でできていますが、とても異なっている理由はよくわかっていません。天文学者たちは、惑星をつくる材料の残り物である岩石でできた小惑星(しょうわくせい)を研究することによって、三つの惑星がどのように作られたかについてもっと研究したいと考えています。

天文学者たちのチームは大きさ100キロメートルのルテティアという小惑星を観測しています。地球に置くならば、てっぺんが宇宙空間にとどくほど大きいです。太陽系の大部分の小惑星と同じように、ルテティアは、火星と木星の間の小惑星帯というところで発見されています。

しかし、天文学者たちはルテティアが、ずっと太陽系のこの場所にいたわけではないことを知りました。この小惑星が、宇宙から地球に落ちてきた隕石のうち、まれなタイプの岩石と同じ物質からできていることを発見したとき、そう実感しました。隕石というのは小惑星よりもはるかに小さく、ビー玉からバスケットボールくらいまでの大きさです。

このめずらしいタイプの隕石は、太陽系の内部で作られたという点が特別なことです。ルテティアがこれらの隕石と同じ材料でできているなら、水星、金星、地球が生まれた太陽系のこのあたりで、やはり作られたものにちがいないのです。これらの内側の三つの惑星を作るために使われた材料のうちの残った大きな破片なのです。

今、天文学者たちは、実験室でそれを研究できるように、小惑星のいくつかのサンプルを回収するためにルテティアに探査機を送りこむことを望んでいます。「ルテティアのような小惑星は、将来のサンプル・リターン・ミッションの理想的な目標天体となります。私たちは地球をふくむ岩石でできた惑星の起源をくわしく調べることができるはずですね」と天文学者ピエッレ・ヴェルナッツァは結論づけています。

知っ得ダネ

今週のはじめ、直径が400メートルほどの別の小惑星が地球に接近してきました。月よりも近くを通り過ぎた最大の小惑星となりました。これらの小惑星を地球近傍小惑星(ちきゅうきんぼうしょうわくせい:NEAs)といっています。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO .
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