この話の最後の意外な続きは、太陽とこの新しいソーラーツインの両方とも、ある種の化学物質を、普通とはちがいわずかしか含んでいないということです。これらの物質は地球上ではありふれたものです。このことは、このソーラーツインも、いくつかの地球型惑星の親星であるということを示しているのかもしれません!
大空にうかぶ太陽は、とても穏(おだ)やかで平和に見えますが、その光は非常に強力です。太陽の光は地球上のすべての生き物の命を支えますが、同時に、あまり長い間太陽の光にさらされると、とても有害です。天文学者たちは太陽を研究するときに安全に観察することができるように、特別な望遠鏡をつくりだしました。でも、私たちがそんな望遠鏡を使い出したのは、たった数百年間のことです。ということは、私たちはまだ太陽の一生のほんのわずかな部分しか研究していないということです。タイムマシンがなければ、私たちの星太陽が過去にどんなようすだったか、また将来(しょうらい)はどのようになるか、などを研究することはとても難しいことです。そのため天文学者は、太陽にできるだけ似ている星で、さらに太陽とは年齢が異(こと)なるような星を探しています。私たちはそのような星を「ソーラーツイン」(“太陽とふたご”の意味)と読んでいます。この画像はそういう星のいくつかを並べたもので、一番若い星が左に、一番年取った星が右にならんでいます。これらのとってもめずらしい「ソーラーツイン」を研究することで、太陽が過去にどんなだったか、そしてこの先どのようになるかがわかります。
あまり地球から遠くない(宇宙の広大さにくらべてです)ところに、近ごろ天文学者は今までにはない年取ったソーラーツインを発見しました! その星の年齢(ねんれい)は太陽のおよそ2倍、つまり82億才で、それは宇宙の年齢の3分の2にあたります。この星は、HIP102152といい、この画像の右のほうに表示されています。このソーラーツインは、太陽が年を取ったときにどのようになるかを調べるための、とっても良い機会をあたえてくれます。
では太陽は、今後40億年でどのようになるのでしょうか? おそらく太陽は初めにとっても明るくなります。その時までに太陽があまりにも熱くなるので、地球の海は煮えたって蒸発してしまうでしょう。北極と南極の氷は溶けてなくなっているでしょうし、雪なんて昔々のことになります。おとなりの惑星、金星のように、地球は乾いて空っぽの土地がひろがり、生命をささえることはできなくなります。でもあなたは、そんなに長く生きているつもりはないですよね?
この話の最後の意外な続きは、太陽とこの新しいソーラーツインの両方とも、ある種の化学物質を、普通とはちがいわずかしか含んでいないということです。これらの物質は地球上ではありふれたものです。このことは、このソーラーツインも、いくつかの地球型惑星の親星であるということを示しているのかもしれません!