生まれたての宇宙で一番大きい赤ちゃん超(ちょう)銀河団
2018年10月28日

私たちの宇宙を外がわから写真にとれるくらいの大きな自撮り棒(じどりぼう)を持っていたら、どんな写真になるでしょうか?

宇宙は、「コズミック・ウェブ」というクモの巣のような構造で広がっています。銀河系の中は星たちが大きなクモの巣構造で結ばれていますし、銀河たちも銀河群を、そして銀河群も銀河団というクモの巣構造を作り上げています。銀河団が集まると、すべての中で最も大きな構造をなします。これを超銀河団(スーパークラスター)といいます。

このスーパークラスターは、何億光年にもひろがります。今のところ見つかったのは50個にもなりませんが、宇宙には数百万のスーパークラスターがあると考えられています。これらは共に、我々がコズミック・ウェブと名づけた巨大で複雑なネットワークを形成します。

今週、宇宙の遠いところに新しい超銀河団の発見が発表されました。そして、ギリシャ神話の巨神の名にあやかり「ハイペリオン」というニックネームが付きました。

この赤ちゃん超銀河団は、およそ110億光年むこうで、まだ成長中です。まだ成長しているのですが、地球からこのように遠くはなれた場所で今までに発見されたなかでは最大の構造です。

この超銀河団はとても遠くにあるので、私たちは宇宙がとても若かったころの昔の姿を見ているのです。これは、光は宇宙の何よりも速く進むのですが、その光ですら宇宙を旅するのにとても時間がかかるからです。

このスーパークラスターのようなとても遠くの天体に対しては、光が地球に届くまでに何十億年もかかります。私たちが実際に見ているのは、はるか昔、宇宙がまだ若かったころのこの天体の姿なのです。

宇宙が非常におさない時にこんな大きなものがあったとなると、宇宙が生まれてからこれが成長するまでに時間がほとんどなかったことを考えると、びっくりですね。しかし、この古い時代のスーパークラスターは、すでに1千兆こ以上の太陽を作るのに十分な材料を持っています。それは今日発見されている宇宙で最大のクモの巣構造と、ほとんど同じ大きさになります。

知っ得ダネ

私たちの銀河系もふくむ超銀河団は、ハワイのことばで「広々とした天空」という意味の「ラニアケア」超銀河団と呼ばれています。約10万個の銀河の集まりです。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO .
ESO
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