天文学者たちは、宇宙にある惑星のおよそ半分は、少なくとも2つの恒星を中心にした連星系にあると考えています。
太陽系全体にピッタリするような、とても大なお皿を想像してみましょう。すると太陽系の惑星(わくせい)は、ほぼすべてがお皿の上にくっついていることになります。なぜって、私たちの太陽系というものは、とても平らだからなのです。
でも広い宇宙の中では、惑星の軌道(きどう)が、いつでも平らにそろっているとは限りません。なかには、かたむいた軌道もあるのです。
強い力が続いた結果
恒星とその周りの惑星を合わせた全体を「系」といいますが、1つの系で惑星の軌道がかたむくには、何らかの原因があるはずです。その原因となる強い力は、惑星ができるずっと前の、まだその系全体が、ガスとチリのただの巨大(きょだい)な円ばんだったころにも起きます。
最近、国際的な天文学者チームは、グループになっている恒星がそれらの周りにあるガスとチリの円ばんを、バラバラに引きさく強い力がたっぷりあるという、直接的な証こを初めて発見しました。とても強い力によって、ゆがんでかたむいた円ばんができるのです。
チームは、オリオン座にある、地球から1300光年はなれたオリオン座GW星という三連星系をくわしく調べました。この系には3つの太陽(恒星)があり、そのまわりをいくつかのバラバラの円ばんが大きくとりまいています。
こんな円ばんでも惑星が生まれる?
恒星が誕生すると、そのとき残ったガスやチリは、土星の輪のように恒星のまわりに円ばんをつくります。このガスとチリでできた円ばんのなかでは、ごく小さな岩ができることがよくあります。これらのつぶはやがてぶつかりあってくっつき、ますます大きくなります。このチリとガスの輪は原始惑星系円ばんといいますが、惑星は、こうしてこの中で生まれるのです。
オリオン座GW星のゆがんでかたむいた輪の中には、まだ惑星は1つもできていません.... 今のところは!
しかし今回の新しい研究によると、複数の恒星を取り巻くガスとチリが何本かのかたむいた輪になっていても、それらの中で惑星が生まれるかもしれません。
画像提供:ヨーロッパ南天天文台、エクセター大学 クラウス 他、 L.カルサダ
天文学者たちは、宇宙にある惑星のおよそ半分は、少なくとも2つの恒星を中心にした連星系にあると考えています。