この関係は、もっと赤い太陽と もっと重い地球の組み合わせ?
2022年9月26日

天文学者は、太陽よりも軽い恒星(こうせい)である「赤色矮星(せきしょくわいせい)」の周りに、私たちの地球より少し大きめの「スーパーアース」とよばれるタイプの惑星(わくせい)を発見しました。この惑星は、生命が存在できるかもしれない領域「ハビタブルゾーン」の近くにあります。そしてこの恒星と惑星は、広い宇宙の中で、私たちの太陽系からとっても近いところにあるのです!

私たちが住む天の川銀河(銀河系)の中にある恒星は、約4分の3が赤色矮星です。太陽系の近くにもたくさんあります。赤色矮星は、その周りで、生命がいるかもしれない惑星を探すのにぴったりな恒星です。

赤色矮星「ロス508」と、その周りで発見された惑星「ロス508b」は、へび座の方向にあります。

地球のように生命を宿すことができる惑星は、その表面に液体の水が存在できる温度でいられるために、恒星から丁度よいきょりになければいけません。科学者はこの領域を「ハビタブルゾーン」とよんでいますが、上の図をごらんください!ロス508b(水色の線)はハビタブルゾーン(緑の輪)の内側に来る(水色の破線部)こともあるのです。

東京工業大学の佐藤文衛(さとう ぶんえい)教授が率いる研究チームは、この惑星の軌道(きどう)がだ円形をしていて、ハビタブルゾーンの中に入ったり、内側の熱いところに出たりをくりかえしていることも発見しました。

ロス508のような惑星系を観測するために、日本のアストロバイオロジーセンターの科学者は、赤外線ドップラー装置 (IRD) と呼ばれる、目では見えない光「赤外線」で観測できる高性能な装置を開発し、すばる望遠鏡にとりつけました。赤色矮星は太陽などの恒星に比べて温度が低く、目で見える可視光線ではあまり明るくなく、観測が難しいのです。でも、赤外線では比かく的明るく見えるのです。

すばる望遠鏡や将来できるもっと大きな望遠鏡を使って、科学者はロス508bに生命な存在するために必要な液体の水があるのか、ほかの赤色矮星の周りに、もっと生命がいる可能性が高そうな惑星があるのかを調べていく予定です。

画像:ロス508と、今回発見された惑星ロス508bとの位置関係をまとめた図。緑の輪が、惑星の表面で液体の水が存在するかもしれないハビタブルゾーンで、水色の線が、ロス508bの軌道。ロス508bは、ハビタブルゾーンの中に入ったり(破線の部分)、内側の熱いところに出たり(実線の部分)をくりかえしていると考えられます。 クレジット:アストロバイオロジーセンター

国立天文台による日本語サイトあり

知っ得ダネ

この惑星の「1年」(恒星の周りを一周する時間)は、地球の11日にあたります。もし惑星ロス508b人がいたら、地球人よりも多く誕生日を祝うことになりますね。何才か聞いたら、すごい年れいを答えてくれるでしょう!

This Space Scoop is based on a Press Release from NAOJ .
NAOJ

この記事は日本の国立天文台からの報道発表によっています。

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