キラキラ星よ、お空のどこに?
2023年2月17日

どうして夜空の星はだんだん少なくなってるんだろうって疑問に思ったことはありますか?特に都会に住んでいるとそう感じることが多いかもしれません。アメリカ国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)よる星空観察プロジェクト「グローブ・アット・ナイト(地球の夜空といった意味)」が最近の研究で、どのように「光害」(ひかりがい、または、こうがいと読み、光の公害のこと)が急速にふえていて、夜空のすばらしい星をうばっているかを示しました。

光害は深刻な問題であり多くの悪いえいきょうをおよぼしています。たとえばサーチライトなどによる夜空の明るさはまわりの地上からの照明の光で夜空が照らされる光害の一つです。白色LEDやネオンサイン、窓からもれる屋内の光もふくまれます。ぼんやりとかがやくこの光が何千もの恒星(こうせい)や星座、そして天の川さえもかくしてしまいます。そうでなければ人間の目でそれらを見ることができるはずなのに。

古代文明には、美しい夜空の星ぼしにつつまれた歴史があります。たくさんの古代文化や神話、りっぱな建物は、夜空の天体や星座と直接結びついています。また光害は天文学にとって有害なだけでなく、人間の健康や野生動物の自然のサイクルにも悪いえいきょうを与えていることもわかってきました。

科学に関心の深い熱意ある人たちが科学者たちと協力して「グローブ・アット・ナイト(Globe at Night)」プロジェクトで光害がどのくらい広がっているのかを調べました。プロジェクト発起人である天文学者のコニー・ウォーカーと市民天文学者のチームが2006年から世界中のデータを集め始めたのです。Globe at Nightアプリを使って誰でもパソコンやスマホからデータを提出することができます。

参加者はまずアプリにそのデータの時間と場所を入力します。次にその夜空に見えている星の配置を星のどのパターンか記録し報告します。そうすることで科学者たちはその天体が肉眼で見えるにはどのくらい明るくなくてはならないのかを計測することができます。この明るさは「目で見る限界の等級」と呼ばれるものです。またこのデータにより、ある地点で夜空がどのくらい明るくて時間とともにどう変化するのかを測る方法も見つかりました。

市民天文者たちが主体のこのチームが5万件以上の観測データを調べた結果、夜空の明るさは人工衛星が観測した夜の地球の明るさよりも、ずっと速いペースで増していることがわかりました。この10年間では年9.6%も明るくなっているんです!このことからわかるのは、星の見える暗い夜空を守るために何か新しい対策を見つけ、たくさんの人々に参加してもらうようすすめるのが重要だということです。「グローブ・アット・ナイト(Globe at Night)プロジェクトは市民天文学者たちが役に立てるすばらしい計画だと思いませんか。

画像:イラストは光害の量が多いほど夜空が明るく、見える星が少ないことを示しています。 段階を表す数字はグローブ・アット・ナイト・プロジェクトの参加者が使用した数字と近いものです。

謝辞:米国国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)/ 米国科学財団(NSF)/ 全米天文学大学連合(AURA)/ P. Marenfeld

国際ダークスカイ協会東京支部のGlobe at Night 日本語サイト https://idatokyo.org/gan/

知っ得ダネ

研究者たちによると夜空の明るさが今のスピードで増し続けると、現在250個の恒星が見えているはずの場所で生まれた子どもが18歳になるころには100個しか見えなくなるそうです。そしてついには全部の星が姿を消してしまうかもしれません!

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab

この記事は米国国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)の報道発表によります。

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