電波を観測することで、ほかの種類の光線を観測する方法では見つけるのがむずかしい惑星や恒星、宇宙の天気についてくわしい情報を得ることができます。この先の数年間できっと電波天文学が、私たちが想像するような生命がいるかもしれない太陽系外惑星を発見するためのヒントをくれることでしょう。
知っていますか?ほとんどすべての恒星にはお供の惑星がついています。ちょうど太陽に地球があるように。でも太陽系の外にある惑星(太陽系外惑星)に生命は存在するのでしょうか?
この答えを見つけるのに重要なのは、太陽系外惑星の「空」(大気)についてもっとくわしく知ることです。天文学者たちはそれらの空を調べる方法を見つけてはいますが、その惑星では実際に空はどうなっているのか、そして生命がその下で生きられるのかはあまりよくわかっていません。惑星である火星によると「空気なしでは生きられない」のだそうです。
天文学者たちは、太陽系外の恒星の活動と放射線がその惑星にあたえる影響を調べることで、そこでの生命の生存の可能性がより明らかになると考えています。しかし太陽系外の恒星のまわりをまわっている惑星の空の様子(宇宙天気)なんてどうやって調べるのでしょう?
まずは私たちの身近にある「そっくりさん」の天体や現象を調べて、よそにある惑星と比べてみます。 私たちの太陽系の宇宙天気に大きく関係があるものの一つにコロナ質量放出(CME)というものがあります。これは太陽の中の大気圏(たいきけん)の外側で起こる爆発がプラズマというエネルギーの高い物質の「スープ」と、風になびく「吹き流し」のような磁場が太陽系に向かってふき出してくる現象です。CMEのあとには電波の輝きがかすかに光る花火のようにぽっと輝きます。
時おり、活発なプラズマが木星のような強力な磁場を持つ惑星にとどくと、このドラマチックな出会いが電波で光るオーロラを放出します。そう、木星にもオーロラがあるんです!
CMEやオーロラからのこの独特の電波を調べることにより、私たちの太陽系にある高温のプラズマと磁気のある環境(かんきょう)をよりくわしく知ることができます。天文学者たちは積極的に、太陽系の外にある恒星や惑星からさくれつして放出されるよく似ていてより明るい電波を探して、その大気がどのように進化するのか、そしてそこで生命が生きられるのかを知ろうとしています。いい方法ですよね!でもちょっと待って。実際にどうやってこれらの特しゅな電波を見ることができるのでしょう?
地球には超敏感な電波望遠鏡があるのです。たとえばLOFAR(電波望遠鏡)、GMRT(巨大メートル波電波望遠鏡)、JVLA(超大型電波望遠鏡群)、FAST(500メートル球面電波望遠鏡)、ASKAP(オーストラリア・スクエア・キロメートル・アレイ・パスファインダー)などの電波を観測する望遠鏡です。これらの望遠鏡のおかげで今、天文学者たちはかつてないほどくわしく、太陽系の外側にある恒星や惑星からの新しくさまざまな電波を研究することができるのです。
このspace scoopはASTRON(オランダ電波天文学研究所)の報道発表によります。
画像:天体画家による赤色わい星のまわりにある惑星のオーロラのイメージ
クレジット:Olena Shumahalo/Quanta Magazine
電波を観測することで、ほかの種類の光線を観測する方法では見つけるのがむずかしい惑星や恒星、宇宙の天気についてくわしい情報を得ることができます。この先の数年間できっと電波天文学が、私たちが想像するような生命がいるかもしれない太陽系外惑星を発見するためのヒントをくれることでしょう。
このspace scoopはASTRON(オランダ電波天文学研究所)の報道発表によります。