小さなブラックホールを作るためには、ちょうど地球と同じくらいのものを、数ミリメートル幅の小さなボールの大きさにつぶさなければなりません!
宇宙にひそむモンスター、名前はブラックホール。どんなものでもそこに近づきすぎると、その強力な引力で逃げられるチャンスはありません。モンスターにガツガツと食べられてしまうでしょう!
たとえ光でも(光は宇宙で最も速いのですが)、このモンスターの近くによったら終わりです。ブラックホールは黒い穴という意味ですが、本当はそれは穴ではないし、中は空っぽでもありません。ブラックホールは、とってもせまい所にとっても沢山の物質がつめこまれているというのが本当の姿です。
天文学者は、ブラックホールのいくつかはとっても大きく、私たちの天の川銀河をふくむ、ほとんどの銀河の中心に住んでいることを知っています。これらの巨大なモンスターは、「超大質量ブラックホール」と呼ばれています。あわてないでくださいね。地球や太陽、他の太陽系の惑星などは、銀河系中心のブラックホールから十分にはなれているので、危険にさらされてはいません。
超大質量ブラックホールのいくつかは、その近くに食べるものを持っていません。しかしすぐ手の届くところに食べ放題の食卓をもっているものもあります。超大質量ブラックホールで現在食事中のものを宇宙の中で見つけることは簡単です。それは怪物の口の中に、おいしい宇宙の物質が永遠に消える前に、それらの物質が明るく輝くためです。いくつかの銀河のうち、このような食事中の超大質量ブラックホールがひそんでいるところには、上の写真で赤い×印がついています。
天文学者は、今、食べている最中のモンスター(ブラックホール)の大部分は、中型銀河の中心に見つかると思っていました。しかし最近の観測では、彼らが予想していた銀河より 20倍も大きな銀河の中心にあることがわかりました。
この驚くべき発見の意味するところは、天文学者はもういちど黒板のところへいって、なぜ予測が間違っていたかを初めから計算しなおさなければならない、ということです。時には天文学者でさえも初めから正しい答えを出しているというわけではありません。
小さなブラックホールを作るためには、ちょうど地球と同じくらいのものを、数ミリメートル幅の小さなボールの大きさにつぶさなければなりません!