水素は宇宙で最も一般的な原子です。宇宙全体の原子の90パーセント以上が水素原子です!
この写真には星がたくさん写っていますね。でも天文学者によると矢印の星はありえないのです。そんなところで決してできるはずのない星だというのです。
ではなんでふつうの星のように見えるこの星が特別なのでしょうか? それはこの星を作っている材料のせいです。ふつう星は原子という小さな素がいろいろと組み合わさってできています。たとえば、水素やヘリウム、炭素、酸素などといったものの組みあわせです。しかし最近、天文学者たちは、ここに示されている星は 、ほぼ完全に水素原子とヘリウム原子の組みあわせだけでできていることを発見しました。そのような星はありえないと天文学者たちは言っています。
水素原子とヘリウム原子は、宇宙がビッグバンで始まった直後にできました。炭素原子や金の原子といったその他の大部分の原子は、ビッグバンからすこし後に恒星の中でできたり、恒星が爆発したときに作られました。
この矢印に示される星には水素原子とヘリウム原子しかふくまれていないので、天文学者たちはこの星はビッグバンからあまり時間がたっていないころに生まれたのかもしれないと考えています。ですからこの星の年令は、およそ130億才かもしれません! 「これは今までに発見された中で最も古い星の一つである可能性があります」と、この新しい発見をした天文学者の一人、ロレンツォ・モナコさんは話しています。
というわけで、これは恐らく“ありえない”星であり、そしてわかっている限りでは宇宙で最も古い星ということになるかも知れません。写真をもう一度見てみてみましょう。今度は、このすごくちっちやな光の点が、前よりもっと印象的に見えますよね!
水素は宇宙で最も一般的な原子です。宇宙全体の原子の90パーセント以上が水素原子です!