NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げた長さ14メートルのチャンドラX線観測衛星は、これまで宇宙に打ち上げられた中で最も大きな望遠鏡です。
地球の大気は、宇宙からやってくるX線などの有害な放射線を地上までとどかないようにしていますが、これはとっても素晴らしいことです。それがなければ私たちは生き残ることができなかったのです! しかし天文学者たちはこの放射線を研究したいのです。なぜって、星や銀河など宇宙の天体について、とてもいい情報が得られるからです。ではどうしていると思いますか?
答えはかんたんです。地球を守るバリアの外、つまり宇宙に望遠鏡を打ち上げます。そのような宇宙に打ち上げられた望遠鏡のひとつ、チャンドラX線観測衛星は、宇宙からやってくるX線を受信するように設計されています。望遠鏡が集めた情報は地球上の天文学者に送られて研究され、例えば上のX線で写した銀河の写真のような幻想的な写真が作られます。
このチャンドラX線観測衛星を使って、天文学者は最近信じられないような発見をしました。私たちの近くにある銀河の一つの中心に強いX線を出している天体を見つけたのです。それも1つだけでなく2つもです。これらの天体はものすごい量の物質を小さな空間に押し込められてできているので、光さえもその引力から逃げることができません。このような天体を超大質量ブラックホールといいます(くわしくはここをクリックしてください)。
この新しい発見をした天文学者たちは、この銀河が私たちの銀河、天の川銀河にどれほど近いかを知って驚(おどろ)きました。天文学者のペピ・ファビアーノさんは、「このペアのブラックホールのある銀河は、私たちのほんの目と鼻の先だったのです。私たちはどれだけこんなペアを見逃しているのかと思います」と言っています。
NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げた長さ14メートルのチャンドラX線観測衛星は、これまで宇宙に打ち上げられた中で最も大きな望遠鏡です。