この写真の紫色で示される熱いガスは、摂氏1,000万度にも達する焼けるような温度です。
この記事は、チャンドラーX線宇宙望遠鏡の報道によります。
宇宙のすべてを見るために、天文学者は創造的にならなければなりません。1つの色あざやかな写真を作るために、ちがう望遠鏡で撮られた何枚かの写真を一枚にかさねます。たとえば、星が生まれている雲を撮ったこの美しく新しい写真で、チャンドラという宇宙望遠鏡では、紫に色づけた部分のみが見えました。一方、スピッツァーというもう一つの宇宙望遠鏡は少し違って見えました。紫色以外の色のついたすべての部分です。
しかし、なぜ、べつべつの望遠鏡で同じ雲を見ても、同じように見えないのでしょうか?答えは、このふたつの望遠鏡では、ちがう種類の光を見ているからです。わたしたちの目は、可視光線(かしこう:私たちの目で見える光)を見ることができるのですが、他にも、例えば赤外線、紫外線、X線といった、特別な望遠鏡で見ることができる、ちがう種類の「光」がたくさんあるのです。
たとえば、スピッツァー望遠鏡では、赤外線を見ます。赤外線はチリの中でも通り抜けていくことができるので、スピッツァー望遠鏡はチリに深く埋もれているいる星が生まれている場所の観察に最適です。しかし、チャンドラ望遠鏡では、赤外線を見ることができません。そのかわりに、若くて熱い星でびっくりするほど高温に熱せられたガスから発せられるX線を見ることができます。
というわけで、2つの望遠鏡が同じものを見ても、ちがう見え方をするので、それぞれの望遠鏡で撮った写真をあわせて使うことで、より本当の姿が浮かび上がってくるのです。
この写真の紫色で示される熱いガスは、摂氏1,000万度にも達する焼けるような温度です。
この記事は、チャンドラーX線宇宙望遠鏡の報道によります。
Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory