アルマ望遠鏡は、南米のチリという国の、およそ標高5000メートルの高地に建設されています! 大気中の水分がサブミリ波を吸収して地上に届きにくくするため、アルマの観測のためには、絶対、乾燥(かんそう)した空気が必要です。高いところの空気はとっても乾燥しているので、アルマの観測にピッタリです。
星かざりのおまけつき。地球上で最も複合的な望遠鏡アルマにようこそ!
アルマ望遠鏡のオープンを記念して、天文学者はこの望遠鏡による初めての写真を公開しました。ここに写っているのは、アンテナ銀河(または触角銀河)という一対の銀河です。
アルマ望遠鏡はふつうの望遠鏡とはちがいます。66台のパラボラアンテナでできています。ちょうど衛星テレビの電波を受信するために、家のかべや屋根にとりつけられているパラボラアンテナに似ています。しかしアルマのパラボラは、テレビ番組を送るために使われている電波を受信するようにはなっていません。そのかわりにサブミリ波という別の種類の電波を受けるようにつくられています。
このサブミリ波によって天文学者は、宇宙の中でも非常に低温のもの、たとえば宇宙ができたころの放射、そしてチリや冷たいガスなどを調べることができます。これはサブミリ波が銀河を研究するのに最も適していることを意味します。なぜなら銀河にはチリや冷たいガスがあり、ちょうどぬり絵の絵が黒い線で形がえがかれているように、チリやガスのある場所が銀河の形をえがきだすからです。
アルマ望遠鏡といえば、これはもう絶対チームワークです。ヨーロッパ、北米、そして日本が主導する東アジアの天文学者たちが力を合わせて建設しただけではありません。アルマのパラボラアンテナたちもチームとして働いています! 一つ一つ別々のアンテナで受信されたサブミリ波は、合成されて、1つのアンテナで作る画像よりもはるかにくわしい宇宙の画像をえがくことができるのです。
このアンテナ銀河の写真をとった時には、アルマはまだ建設中だったため、バラボラアンテナは12基しか使われていません。それでも、サブミリ波を使ってとったこの銀河の写真としては、今まで最高の画像になっています。アルマ望遠鏡はもうすでにこれだけすごい性能ですから、2013年に完成した時にはどんなことになるのでしょうね。まだまだすごいことになりそうです!
アルマ望遠鏡は、南米のチリという国の、およそ標高5000メートルの高地に建設されています! 大気中の水分がサブミリ波を吸収して地上に届きにくくするため、アルマの観測のためには、絶対、乾燥(かんそう)した空気が必要です。高いところの空気はとっても乾燥しているので、アルマの観測にピッタリです。