白色矮星の角砂糖ひとつ分の重さは、およそカバ1頭の重さと同じです!
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人は定年(ていねん)になって仕事をやめると、あいた時間のために絵を描くとか、つりをするとか、よく新しい趣味を始めます。天文学者は最近になって、定年をむかえた2つの星(白色矮星/はくしょくわいせい)が彫刻を始めているのを、写真のような美しい星雲の中心に見つけました。この星雲の両側にふき出している赤色のものは、2つの年取った白色矮星のクルクルまわるダンスの動きによって、ゆがんだS字型に曲げられているのです。
私たちの太陽のような星は、持っている燃料をすべて使いつくすと、中心へとくずれ始めていきます。中心の物質は、最後はとても小さくて重たいボールにまで、押しつぶされてしまいます。このボールを白色矮星(はくしょくわいせい)といいます。一方、星の外側にあったガスは宇宙空間へとただよっていきます。そしてこの新しい写真のように、白色矮星のまわりにとてもきれいな雲の惑星状星雲となるのです。
2つの白色矮星が、たがいに回りあっている“連星系”として発見されるのは、めずらしいことです。しかも2つがすごく近いのはもっと不思議でもあります。天文学者たちは、連星系の白色矮星がおたがいを一周するのには、何十年もかかると思っていました。しかし、この写真の2つの場合は、一日よりもちょっと長いだけなんです!
この重い2つの星がダンスのように回りあうので、その動きがガスの流れに影響して、変なかたちのS字型にしてしまうのです。天文学者たちは、長年、この変なガスの流れがどうやってできたのか不思議に思ってきましたが、今、やっとわかったのです。
白色矮星の角砂糖ひとつ分の重さは、およそカバ1頭の重さと同じです!
この記事は、ESOおよびSAAOの報道発表に基づいています。