天文学者は、いまのところ天の川銀河全体で点在するマグネターが3,000万個以上あるだろうと思っています。
この記事は、チャンドラX線天文台のプレス発表にもとづいています。
あなたは、これまでに磁石(じしゃく)で遊んだことがありますか?テーブルの上に磁石をおいて、近くに鉄の釘(くぎ)を置く実験をしたかもしれませんね。あなたが釘のほうへゆっくり磁石を押していくと、釘がすっと動いて、磁石にぴったりとくっつきます。
それは磁石のまわりにひろがっている見えない何かを持っているからです。これを磁場(じば)と呼んでいます。たとえ磁石が直接ふれていなくても、ものを押したり引いたりする力があります。
宇宙で最も強力な磁石とは、マグネターという星のことをさします。これらの星はずいぶんと小さい超小型の星です。わたしたちの太陽より50倍も重いのに、それがちょうど直径20キロメートルの大きさの球につめこまれた状態の星です。まさに小さな都市の大きさくらいなんです!
天文学者は、ある巨大な星が超新星爆発をおこして死ぬとき、マグネターがつくられるかもしれないと考えています。その星のガスは宇宙に吹き飛び、ケス73と名づけられたこの画像のようなあざやかな雲になります。それと同時に、星の中心核はペチャンコにつぶれて、マグネターになります。
この写真の中の宇宙雲の中心に、ちっちゃなマグネターがあります。この星は小さいのですが、二、三秒ごとにX線の強力なジェットを噴き出して、すごいエネルギーを出しています。この写真で青く見えるX線ジェットがわかりますよね。
天文学者は、いまのところ天の川銀河全体で点在するマグネターが3,000万個以上あるだろうと思っています。
この記事は、チャンドラX線天文台のプレス発表にもとづいています。
Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory