この素晴らしい宇宙の写真を撮るのに56時間がかかりました。500枚の別々の写真をはりあわせて一枚の写真になっています。
この記事はESOからの発表報道をもとにしています。
天文学者がさいだん座のリム星雲に 星ぼしの育っている場所を見つけました。
天文学者は、空の海賊と呼んでもいいでしょう。彼らは新しい世界を探検し、盗品として値打ちのある情報をさがしています。この新しい写真は、宇宙の宝石でいっぱいの宝箱という宇宙海賊の夢がいっぱい詰まったものです。
宇宙のこの場所は、星団や宇宙雲と星の保育園(星が生まれ育っているところ)といった天文学的に貴重なものであふれています。
この写真のまさにその中心で輝いている宝石は、30個のきらきらと明るい、青い星ぼしです。これらの星ぼしは、太陽より十万倍明るく、50倍ほども重い星ぼしです。
中心の2つの星は、最も大きくて明るいものです。ふたつの巨星はまわりの雲を照らすくらい十分に明るいです。この写真の右側のオレンジ色と黒色の部分はさいだん座のリム星雲を含んでいます。
このリム星雲は、星の保育園の境界上に残る、暗くて明るい雲の壁をつくります。星の保育園は主に、化学的には水素から成り立つ雲です。そして、それは星を作るためのおもな成分です。ここは、新しい星が生まれるところなのです。
雲が新しい星をつくり、その星たちは自分の生まれたところをこわしています。激しい超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)とともに、目もくらむほど明るい星のあかりが、材料の大部分を遠くへ吹きとばしているのです。実のところ、材料の90%はムダになるのです。
わんぱくな若い星ぼしが保育園で過ごす時間は2、3百万年の間つづきます。でも、その星が数十億年もの間生きることができると考えれば、この2、3百万年はアッという間です。
Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory