命のかけらを組みあげる
2015年6月15日

若い星のまわりに大量の有機分子が見つかりました。これらは命の基本単位になるものです。ひょっとして、生命が作られたりして・・・

レゴ・ブロックを積みあげることで、かなりおもしろいものを作ることができますね。たとえば、実物大のレゴ・ハウスやレゴ・ロケットやレゴ・ボートさえも作っています。これらのみごとなレゴの作り物のように、人間も小さいパーツから作られています。人のからだの基本単位を、有機分子(ゆうきぶんし)といいます。

レゴとちがって、高性能の顕微鏡(けんびきょう)でないと、誰もこの分子を見ることができないくらい小さいです。この分子は炭素や水素、酸素のような原子たちからできています。そして、これらの有機分子は、宇宙のあちらこちらで見つかってきました。

今のところ、30億年前の地球上で生命がどのように始まったかについては誰もわかりませんが、これだけはいえます。それは、すべての命が、これらの小さい有機分子から始まったということです。

でも、有機分子が生命の基本単位であり、それらが宇宙中にあるならば、なぜ、私たちはまだ地球以外に生命を見つけられないのでしょうか?

さて、有機分子は、たいへんこわれやすいものです。有機分子は、生まれたての星の周りという厳しい環境のもとでは、なかなか生き残ることができません。しかしながら、科学者はちょうど今、生まれたての遠くて若い星(おうし座のMWC480)のまわりに、大量の有機分子を見つけました。

この生まれたての星は、ひとつも惑星を持っていませんが、すぐにでも惑星をつくることができるだけの材料をもつ円盤で囲まれています。今回、天文学者が有機分子を見つけたのは、円盤の外側のはしっこでした。このあたりは、太陽系でいえば氷の彗星(すいせい)ができるところです。

2、300万年以内には、円盤のはしっこあたりから新しく作られた彗星は、惑星に雨のように降りそそぎます。そして、有機分子は、それらの彗星で運ばれるのかもしれません。彗星が地上に落下してきたとき、いったいどんなものがつくられるのでしょうね?

知っ得ダネ

一部の科学者は、私たちの太陽系が生まれたころの地球に有機分子を運んできたのは彗星だったろうと考えています。

この記事は、アルマからの報道発表によります。 

This Space Scoop is based on a Press Release from ALMA .
ALMA

Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory

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