ブラックホールによるジェットは、太陽より1兆倍も多くのエネルギーをつくりだします。このことをわかりやすくすると、1兆倍って、1,000,000,000,000 と書き表します
長い間、ブラックホールが一番強力なジェットをつくり出すことは、うたがいのないことでした。それにくらべてほかの天体の場合は、私たちにしっかりと見えるほど明るいジェットをつくることは、めったにありませんでした。しかし今や、この常識に挑戦(ちょうせん)しているかのような天体を天文学者は発見しました
この挑戦者は、きわめて小さい星のなかまで、中性子星といいます。最近みつかったこの星は、2つの星がおたがいのまわりを回っている連星系(れんせいけい)の星で、信じられないくらいたくさんの物質を宇宙にほうりだしていることがわかりました
中性子星は、近くに相棒(あいぼう)の星がある場合、しばしばその相棒からガスをうばいます。そんなことがおこると、そのガスのいくらかは信じられないくらいの速さで宇宙にほうりだされ、みごとな輝(かがや)きとなります
ふつう、中性子星が相棒の星から物質をうばえばうばうほど、宇宙にほうりだされるジェットは輝きをまします。でも天文学者が、今回の中性子星が素晴らしいジェットをつくり出しているようすを調べてみると、この中性子星は、ほんとうにちょっぴりしか相棒から物質をうばっていないのでした。ふつうそんな少しの物質では素晴らしいジェットをつくることはできません
結局、これらの素晴らしいジェットをつくりだしたこの中性子星は、ふつうのものとくらべ、ずいぶんとようすがちがうものだとわかりました。この星は、ある時期は宇宙に静かにじっとしていながらガスを集めているだけですが(天文学者が観察した時)、とつぜんガスをほうりだして光り輝くこともできるのです。この光り輝くジェットは短い間だけのことでしょうが、ものすごい見ものであることはまちがいありません
ブラックホールによるジェットは、太陽より1兆倍も多くのエネルギーをつくりだします。このことをわかりやすくすると、1兆倍って、1,000,000,000,000 と書き表します