星工場では、昔もっと星をつくっていたよ
2016年1月20日

この世にばかばかしい質問などありません。単純な質問ほど、面白くて興味深い答えがあるものです。例えば、「なぜ宇宙は暗いの?」という質問。これに答えるためには、星と星の間の距離をしらべたり、光が進む速さや、宇宙がたえずどのように大きくなっているかを考えなければいけません。

天文学者はアルマ望遠鏡を使って、天文学上の単純な質問の答えを探してきました。その質問とは、「なぜたくさん星が生まれる銀河と、そうでない銀河があるの?」です。ちょっと見たところ、答えは簡単そうかもしれません。大きい銀河にはたくさんのガスがあるため、小さい銀河よりたくさんの星が生まれる、というものです。結局のところ、ガスは星の主な材料なのですから。

この答えは、大体正しいのですが、もっと詳しく見るとそうでもないのです。最近アルマ望遠鏡の観測から、同じくらいの星の材料(=ガス)があっても、遠くにある昔の銀河では、近くにある銀河に比べて、ずっと多くの星ができていたことが明らかになりました。数十億年前の宇宙では、銀河はただただ多くの星を作っていたのです。

私たちの住む銀河(銀河系、または天の川銀河といいます)では、ふつう1年に1個くらいの星が生まれます。昔の宇宙には、毎年数百個の星が生まれる銀河があったのです。

天文学者は今でも「ずっと昔の銀河では、なぜこんなにさかんに星が生まれたのか?」という質問にはっきりと答えることができません。しかし、星の生まれる数は、銀河同士の衝突に関係していると考えられます。昔の宇宙は、今より小さかったため、宇宙の大きさに比べて銀河が大きく、別の銀河にぶつかりやすかったのです。そのため、星がドミノたおしのように次々と生まれていったのでしょう。

国立天文台による日本語サイトあり

知っ得ダネ

宇宙で最初にうまれた銀河は、130億年以上前にできはじめました。宇宙のはじまりであるビッグバンからすぐ後のことです!

This Space Scoop is based on a Press Release from ALMA .
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