光速でも4年かかるケンタウルス座プロキシマ星までを、20年間かからずに宇宙船を送る計画があります。その計画の名前は「スター・ショット」です。
大西洋に探検家たちが船で乗り出しはじめた時代には、世界は平らなものと信じられていました。もし世界のはしっこまで行ってしまうと、船は大海原(おおうなばら)から何もないところに落ちてしまうと、人々は恐れていました。 こんにちでは、探検は地球上のすみずみに行きわたり、太陽系の中にある惑星のひとつひとつにまで到達しています。次のステップはもちろん、系外惑星(けいがいわくせい)という太陽系の外に広がる世界への探検です。
1992年に、太陽系外のかなたにある恒星の周りをまわっている惑星があることが確認されました。それいらい、そのような惑星が3,300個も記録されています。その世界はきっとあの映画「スターウォーズ」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の世界よりもさらにきみょうなものでしょう。
それらの系外惑星の中には、大きさが地球の9千倍というお化け惑星もあれば、月とかわらないほど小さなものもあります。温度にしても鉄を溶かすほどの高温の惑星もあれば、冥王星よりも冷たいものもあります。また巨大な恒星のまわりをまわる惑星や、すでに寿命を終えた恒星の周りをまわる惑星、そして恒星をもたずにたった一人で銀河をさまよう「はぐれ」惑星だっているんです!
でもなんといっても一番知りたいのは、私たちの故郷である地球に似た系外惑星があるのかどうかですよね。生命を維持することができる惑星、つまり岩でできた地面があって、表面に液体の水が蒸発しないで存在できるくらいには冷えている惑星です。
このように生命にちょうど良い系外惑星が、太陽系に一番近い恒星をまわっていることが分かってきたのです!
ケンタウルス座のプロキシマ星は、地球からほんの4光年あまりというとても近いところにあります。岩でできたこの新世界は、私たちに一番近い系外惑星ということになります。この「新しいお隣さん」は地球よりほんの少し重く、中心の恒星からは太陽系の水星よりも近いところをまわっています。それでもその恒星は太陽よりもずっと低い温度なので、気温は高すぎず適温です。
とはいってもその世界は生命にとって十分に居心地がいいのでしょうか?それは今のところまだわかりませんが、これこそ今、天文学者たちが答えを見つけようとしている一番ホットな疑問であることは間違いありません。
光速でも4年かかるケンタウルス座プロキシマ星までを、20年間かからずに宇宙船を送る計画があります。その計画の名前は「スター・ショット」です。
この記事は、ESO, LCOGTからの記者発表にもとづいています