このようなハローは、クェーサーの中心から30万光年ぐらいまでのびています。これは私たちの天の川銀河の直径の3倍も長いのです。
今週はハロウィンです。街にはぞっとする悪霊(あくりょう)から、血に飢えたバンパイア(吸血鬼)まで、いろんな恐ろしいキャラがあふれていますね。でもほんとうは、ご近所さんや友達が変装(へんそう)したり、ニセの血をぬっているって、みんな知ってますよね。お化けや怪物は、ほんとうはいないんですよ、ねっ?
お化けたちが押し入れやベットの下にかくれている、なんてことはありませんが、なんと宇宙には怪物がいるんです。
ブラックホールって宇宙の悪魔です。それらは暗闇の中で、なんにも知らない惑星や星たちが、さまよって近づいてくるのをねらっているのです。そして星たちが近づきすぎたとき....、ブラックホールの餌食(えじき)になっちゃうのです!
ブラックホールってホントにひどいやつだよね。今週はそのブラックホールについての話だと知ったらおどろくでしょ? なぜなら、ボワッと輝く光の輪(ハロー/後光)を身につけて光っているブラックホールがたくさん見つかったからなんだ。
ホントはハローなんて宇宙ではフツーにありふれたものなんだ。どの銀河でも、年取った古い星の残骸(ざんがい)や、ダーク・マターなんていう見えない不思議な物質からできているもので囲まれていて、これがよく言われるハローなんだ。今回、新しくみつかったハローのおもしろいところは、それらが輝いているっていうことなんだ。
科学者たちは「クェーサー」という特別な種類の銀河を観測しているときに、そんなハローを見つけたんだ。クェーサーって、その中心にブラックホールを育てている。
ブラックホールがムチャクチャ食べるから、そこではものすごいジェットのような、激(はげ)しいエネルギーの流れがうまれている。どんなふうになっているかっていうことは、「宇宙には爆発もあります!」を読んでみてね。
この強力なジェットの流れは、ブラックホールから発射されて周りの見えないハローを輝かせるんだ。それが起こると、望遠鏡からは銀河の周りのガスが円く光ったハローとして見えるようになる。
今までは、10個のクェーサーがあるとそのうちの1個にハローが見つかっていた。でも今回、今までより強力な望遠鏡を使って宇宙を調べてみたら、どのクェーサーにもハローがあることがわかったんだ! 上にある画像は、観測された18個のクェーサーをならべたもので、どれもみんな輝くハローで囲まれているよ。
で、これからの疑問だけど、本当にどのクェーサーもみなハローを持っているのか、それともたまたま愛らしいやつを見つけただけか?ってことだ。
このようなハローは、クェーサーの中心から30万光年ぐらいまでのびています。これは私たちの天の川銀河の直径の3倍も長いのです。
この記事はESOの記者発表にもとづいています。