この新しい地磁気の地図(地球表面の磁力のようす)のすごいことの1つは、海洋底に広がる縞(しま)もようです。このもようは、地球の磁場が切りかわった時のあとで、その時、磁場は北極と南極が入れかわりました。こういうことが10万年ごとに起こっていたのです。そんなことが次におきるときには、あなたの持っている方位磁石の針は、北極でなくて南極を指すことでしょう!
地球は、とっても大きなさなぎのマユのようなものでつつまれていると考えられます。このマユは宇宙から地球にはげしくふりそそいでくる有害な放射線や、電気をもった小さなつぶ(荷電粒子)から私たちを守ってくれています。このマユがなかったら地球に生命は存在できなかったことでしょう。でもそれはまったく目には見えないのです。この地球のまわりのマユは、磁力のはたらくところ、磁場(じば)だからです。
地球表面に働いている磁力(磁石の力)の大部分は、地球内部のとけた鉄が原因でつくられていると考えられています。しかしほんの少しは地殻(ちかく)の中にある、つまり地球表面近くにある磁力をもった岩石からつくられます。
地殻とは、地球表面のかたい岩石からできた層(そう)のことで、私たちはその上で生活をしています。もしも地球がリンゴくらいの大きさだとしたら、地殻はリンゴの皮くらいの厚さです。ほかの地球内部の層とくらべてとても薄(うす)いのです。海洋の下の地殻はだいたい10kmほど、大陸の下では厚くてもおよそ80kmほどです。
私たちの地球の地殻について知ることはかんたんではありません。地殻を測ったり、何からできているかを見るために、たんに穴をあけるということはできません。でもスウォーム衛星たちがその任務を引き受けています。
スウォームは、私たちの地球を回る3機の観測衛星からなるチームです。それらの任務は、地球の地殻でつくられる弱い磁場を宇宙からくわしく調べ、その磁場について私たちの理解を深めることです。
スウォーム衛星たちによる3年間のデーター観測により、ついにこの写真の画像が発表されました。これは今までに作られた最もくわしい地球磁場の地図です。磁場の弱いところは青色でえがかれ、磁場の強いところは赤色でえがかれています。これらの色のちがいは地殻の厚みによってちがうのです。
そして、たくさんの面白くてふしぎな場所が見つかりました。1つは中央アフリカ共和国にあって、なぜかそこは特別に磁場が強いのです。なぜだか原因はわかっていませんが、5億4000万年以上前に隕石(いんせき)が衝突(しょうとつ)したからだという科学者もいます。
この新しい地磁気の地図(地球表面の磁力のようす)のすごいことの1つは、海洋底に広がる縞(しま)もようです。このもようは、地球の磁場が切りかわった時のあとで、その時、磁場は北極と南極が入れかわりました。こういうことが10万年ごとに起こっていたのです。そんなことが次におきるときには、あなたの持っている方位磁石の針は、北極でなくて南極を指すことでしょう!