アインシュタインの理論によれば、重力は物体だけでなく光にも作用します。重力の強い物体のまわりでは、光が曲がってしまいます。くわしくは、「巨大な宇宙の虫メガネで赤ちゃん星発見」という記事を見てください。
400年以上も昔、有名な科学者ガリレオ・ガリレイがイタリアのピサの斜塔(しゃとう)に登り、ちがう重さの2つの玉を落としました。みなさんは、重いボールの方が速く落ちると思うかもしれませんが、ガリレオは実際には両方が同時に地面に落ちたことを実際に発見しました。
これは当時としては大きな発見でした。ということは、物体そのものの総量である質量が、それにはたらく重力の作用に関係しないということになるわけです。どんなに重いものであっても、すべてのものが同じ速度で地上に落ちます。
数百年後には、アポロ宇宙飛行士が月でこの実験を再現しました。同時に同じ高さからハンマーと羽根を落としたのですが、確かにふたつは同時に月面に落ちました。地球上では実際には同じようにならないことに、みなさんは気が付いていますよね。月とちがって、地上では空気が落下物をおしもどし、すこし落ちるのがおそくなったりします。
今日、アルバート・アインシュタインのおかげで、ガリレオのころよりもはるかに重力を理解することができます。約100年前、アインシュタインは重力理論に思いいたりました。これまでのところ、地上の実験はもちろんのこと、地上をはなれた太陽系内での実験にも合格しています。
しかし、天文学者は常にきびしい条件でアインシュタインの理論をチェックする新しい方法を探し求めています。最近のテストでは、遠くはなれたの星の集団を使って、この理論がたいへん強い重力をもつ物体でも正しいかどうかを、調べました。
このグループには、太陽ににた星がその燃料を使い切った時に生まれる小さな白色矮星(はくしょくわいせい)が2つと、1秒につきおよそ数百回も回転しているとてもコンパクトな星であるパルサーが1個ふくまれていました。パルサーの重力は、地球上の重力よりも20億倍強く、理想的な実験対象になっています。
アインシュタインが正しければ、パルサーと近くの白色矮星はべつのもっとはなれた白色矮星に向かって同じように引っぱられなければなりません。
パルサーはその動きを測定する便利な方法を教えてくれます。パルサーが明るいジェットの光を発射します。灯台のように、このパルサーは1秒間に366回の光線を地球に向けて発します。これらの定期的な光のパルスを測定することで、パルサーがどのように動いているかを知ることができます。
6年間で8000回の測定の結果、天文学者はパルサーと白色矮星が同じように動いていることを発見しました。アインシュタインの重力理論は、またもや大成功となりました。
アインシュタインの理論によれば、重力は物体だけでなく光にも作用します。重力の強い物体のまわりでは、光が曲がってしまいます。くわしくは、「巨大な宇宙の虫メガネで赤ちゃん星発見」という記事を見てください。