ベビコロンボという名前は、初めて聞くとちょっと変かもしれませんね。この名前は、実はジュゼッペ・コロンボというイタリアの科学者(あだ名はベピ)さんにちなんでつけられました。ベピさんは、以前の水星探査機マリナー10号のミッションで働いていました。(訳者註:スイングバイという航行方法を提起した人)
先月、ベピコロンボという新しい宇宙船がごう音とともに打ち上がり、水星へ向かって何回もぐるぐる回る軌道(きどう)を進む7年間の長旅に出発しました!
水星は太陽系で一番小さな惑星(わくせい)で、太陽の最も近くにあります。 また夜空の中で最も明るい星の一つとして、何千年も前から知られています。でも、今でもくわしくはわからない、太陽系にあるナゾの一つです。
水星はとても太陽に近いので、そこへ近づくのは危険です。この星の近くを通過すれば、どんなものでも 450℃以上の高温になるでしょう。今までに2つの探査機だけがなんとか水星へ近づきましたが、今回はベビコロンボ の挑戦(ちょうせん)です!
ベビコロンボは2つの探査機とそれらを運んで太陽系横断の長旅をするエンジンで構成されています。
水星のまわりの猛暑(もうしょ)を生き残るため、探査機の1つは太陽からの熱をまんべんなく当てるように、“バーベキュー・ロール”という毎分15回の回転をします。もう1つの探査機は、太陽の光線から身を守る最新のマントで包まれています。
このようにして2つの探査機は、今までの探査と比べると2倍の観測機をのせていきます。そして、もっと水星に近づいて、今までにない鮮明(せんめい)な画像を長時間、映しだします。
ベビコロンボが解き明かそうとするナゾの一つに、水星の巨大な核があります。地球の中心にある重い金属でできた核は、地球の体積のわずか17%です。しかし水星の核は、実に60%もあります!
どうしてそんなに核の割合が多いのか、だれにも分かっていないのですが、でも一つの理論では、水星は今よりずっと太陽からはなれたところで誕生し、その若い水星が太陽に近づいていく途中で別の大きな天体にぶつかった、というのです。
その結果、たくさんの岩石が宇宙へ放り出され、水星はそれ以前よりもずっと小さくなってしまいましたが、水星の重い核は、深さ数100kmの岩石におおわれて無事残ったというのです。
ベビコロンボという名前は、初めて聞くとちょっと変かもしれませんね。この名前は、実はジュゼッペ・コロンボというイタリアの科学者(あだ名はベピ)さんにちなんでつけられました。ベピさんは、以前の水星探査機マリナー10号のミッションで働いていました。(訳者註:スイングバイという航行方法を提起した人)