日食の時に私たちが見ている太陽は、太陽のまわりに広がって銀色に光っているコロナという熱いガスです。
この写真、ポップコーンみたいでしょ? 実はこれ、今までで最高に良くとれた太陽表面の写真なんです。
太陽は私たちに一番近いところにある恒星(こうせい)で、もうその一生の半分がすぎています。太陽は今までに約50億年かがやいてきましたが、今後も45億年はかがやくことでしょう。
この写真は、ハワイのハレアカラ山頂に建てられた太陽望遠鏡でとられたものです。この写真をみると、太陽表面で「ふっとう」しているガスがつくる模様がわかります。一つ一つの泡(あわ)は北海道のおよそ8倍もの大きさがあります。太陽中心の深いところからやってきた熱やエネルギーは、これらの泡をとおして表面にふき出てきているのです。写真の中で明るいところは、泡の一番もり上がったところで、熱が高まっています。また泡のまわりの暗い線は温度が低いところで、ガスが沈(しず)みこんでいるところです。
地球上と同じで、太陽にも強風や大雨の悪い天気のときがあります。でも、年中おきる地球の嵐(あらし)とはちがい、太陽でふる雨は水ではありません。プラス・マイナスの電気を帯びていて、超高温に熱っせられたガス、つまりプラズマというものです。太陽で磁場のばく発(強い太陽フレア)が起きるときには、それら太陽の物質が地球の方にも飛んできます。そして飛行機の運航に影響(えいきょう)をあたえたり、衛星通信をぼう害したり、送電をダメにして長期の停電を引き起こしたり、またGPSなどの電子機器に影響をあたえたりします。
今回の写真でとれた明るい点の研究は、太陽をとりまくコロナという熱いガスが、なぜ、どのようにして100万度以上という超高温になるのかを知る手がかりになることでしょう。
画像提供: アメリカ国立太陽天文台,全米天文学大学連合,全米科学財団
日食の時に私たちが見ている太陽は、太陽のまわりに広がって銀色に光っているコロナという熱いガスです。