チョウは一生のうちに、何度も変身します。たまごからアオムシ(幼虫)、マユの中のさなぎの順に姿を変え、最後に美しい大人(成虫)のチョウになります。
天文学者も美しい変身を観測しました。チョウとは違って、きっと想像できる一番大きなスケールでの変身です。この写真は、年をとった恒星(こうせい)が、まさに変身を始めたしゅん間をとらえたものです。
太陽のようなあまり重くない恒星は、一生の終わりが近づくと赤色巨星(せきしょくきょせい)という大きな星にふくれ上がります。そして、姿を変える時の一息のように、赤色巨星も外側のガスをはき出します。ガスは宇宙をただよい、美しく目立つ雲の天体になります。これを惑星状星雲といいます。この雲の形は、もとの恒星のまわりに惑星があるか、あるいは近くになかまの恒星があるかなど、環境によって変わってきます。
この恒星はとても速いガスのジェットをふき出し、それがまわりのチリやガスとぶつかって、このような美しい姿を見せています。
チョウと同じように、惑星状星雲でも美しい形と色が見られます。まるい形のものや、砂時計のような複雑な形のものもあります。ちょうどチョウに見えるものもありますよ!
画像提供:アルマ望遠鏡 (ESO/NAOJ/NRAO), Tafoya et al.
国立天文台による日本語サイトあり
知っ得ダネ
惑星状星雲は、惑星とは全く関係ありません。では、なぜこのような名前がついたのでしょう?惑星状星雲が発見された当時、天文学者は、天王星や海王星を小さな望遠鏡で見たときのような小さくてぼんやりした見え方に似ていると思ったので「惑星のような雲」という名前がついたのです。まったく、まぎらわしい名前ですね!
This Space Scoop is based on a Press Release from
ALMA
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この記事は、アルマ望遠鏡の報道発表によっています。
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