私たちの太陽もいつかはベテルギウスのように赤色で大きな星になります。といっても今から50憶年の間は起こりませんよ!
2019年の終わりごろ、オリオン座の恒星(こうせい)ベテルギウスが変に暗くなっているのを天文学者たちが発見しました。なぜ恒星の明るいかがやきが少しずつ暗くなっているのかは、はっきりとはわかりませんでした。(これについての以前の記事はこちら)
NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡による新発見が、恒星(こうせい)のこの不思議なかげりに、チリの雲が関係しているという新しい答えを出してくれました。
赤い大きな恒星-赤色巨星(せきしょくきょせい)
ベテルギウスもかつては今ほどとんでもなく大きくなくて、どちらかといえば太陽のような中くらいのサイズの恒星でした。けれども年をとって燃料となる水素がなくなってくると、大きくなり色は赤くなって赤色巨星へと変わっていきました。太陽系の中心にベテルギウスをおくと、あまりに大きくて木星まで届くほどです!
暗くなるできごと
多くの天文ファンは、これはベテルギウスがばく発しようとしている前ぶれではないかとワクワクしました。赤色巨星の中でも赤色超巨星にまで大きくなったベテルギウスは、いつか超新星(ちょうしんせい)としてばく発を起こしてさいごをむかえるでしょう。これらのばく発は、宇宙のできごとの中でも、もっとも大きなエネルギーを出すもののひとつで、銀河全体の明るさと同じくらい明るいのです!
ハッブル宇宙望遠鏡がナゾを解く
しかし、今のところ天文学者たちは超新星爆発は当分起こらないと考えています。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、ナゾがとけたからです。恒星の光が暗くなったのは、チリの雲が光をさえぎったせいでした。恒星からふき出した高温の物質が冷えてかたまり、雲になったのです。
写真提供:ESA/ハッブル宇宙望遠鏡、M. Kornmesser氏
私たちの太陽もいつかはベテルギウスのように赤色で大きな星になります。といっても今から50憶年の間は起こりませんよ!
この記事は、 ハッブル宇宙望遠鏡の報道発表によります。