月面に水成分
2020年10月28日

宇宙飛行士がはじめて月に行ったのは50年も前のアポロ計画の時で、月は完全にかわいていて、水は見つからないと信じていました月は完全に乾いていると思われていましたし、水も見当たりませんでした。でも、ここ20年ほどの月の研究によって水と氷が発見されました。これらの発見は、これまでのところ、月の寒くて暗くて影(かげ)になった場所や、おもに月の南極や北極で氷として見つかっています。

さて、アメリカ航空宇宙局(NASA)は初めて、飛行機にのせた望遠鏡(SOFIA:成層圏[せいそうけん]赤外線天文台)が月の表面で太陽で照らされたところにも水があることを発見したと発表しました。私たちが以前に考えていたよりも多くの水が月にあるという新しい証拠(しょうこ)もあります。

SOFIA望遠鏡は、月の南半球にあって地球から見える最大のクレーターの1つである直径225kmのクラビウスクレーターの中に水の分子を検出しました。 

成層圏赤外線天文台ソフィアとは

成層圏赤外線天文台ソフィア(SOFIA)は、アメリカのNASAとドイツ航空宇宙センターの共同プロジェクトです。

これは、大きな飛行機にのせて操作する変わった望遠鏡です。ぱっと見は、みんなが夏休みの旅行でのる飛行機のように見えます。しかし、夜になると、飛行機の側面には大きなドアがあり、望遠鏡で空を観測できるように開くのです。 

ソフィア望遠鏡は2010年から宇宙を観測しており、彗星(すいせい)などの天体、新しい星が生まれる場所や、天の川銀河の中心などを調査しています。

これからの見通し

この発見は、宇宙探査の将来にとって重要です。というのも、私たちが以前に考えていたよりも多くの水が月にあるからです。水は、月に住む人間を支えていくために、また宇宙船やロケット、そして月面基地の燃料として使うことができます。これは、月に住み、将来月を足がかりにより遠い宇宙へという私たちの計画を支えてくれるからです。 

科学者たちは今、月にどれだけの水が、どこにあるのかを調査したいと考えています。ソフィア望遠鏡はこれからも月の調査を続け、ほかの日当たりの良い場所で水を探し、水がどのようにしてそこにやってきたかについてくわしく調査します。

画像提供:NASA / ダニエル・ラター

知っ得ダネ

月は夜空に明るくかがやいていますが、それ自身が光を出しているわけではありません。   月は太陽からの光を反射し、1秒ちょっとで私たちの目にとどくのです。

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