めまいがするほどグルグルまわる褐色矮星(かっしょくわいせい)
2021年4月7日

できそこないの星といわれる褐色矮星は、星と惑星(わくせい)の中間のものです。星のように生まれたのですが、大きめの惑星のようでもあります。実のところ、惑星よりも大きいのですが、星よりは小さいのです。ほぼ木星とおなじくらいの大きさなのですが、重さは80倍にまで達することがあります。

ここでは、すごく大きなことを話しているのですよ。もし、木星がとても大きな宇宙の入れ物だとしたら、いっぱいにするためには1,300個以上の地球が必要になります。

惑星のように、褐色矮星は自分自身を中心に自転しています。ちょうどコマやフィギアスケーターがクルクルまわるように。

今回わかったことは、これらの天体が、非常に速く回転していることです。そして、天文学者のチームはこれまでに見られた中で最も速く回転しているものを見つけました。ふつうの褐色矮星より10倍も速く回転しています。

科学者たちは、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡や、ハワイのジェミニ北望遠鏡、そしてチリのマゼラン望遠鏡などの地上望遠鏡を使って、1時間で1回自転する褐色矮星を発見しました。

ちょっと考えてみてください。私たちの地球は24時間ごとに1自転します。つまり、毎日一回自転しています。もし私たちが速く回転する褐色矮星に住むとしたら、一日はたった1時間しかないのですよ。いそがしいですよね。

そして、褐色矮星は地球よりはるかに重いです。私たちの地球の4千倍から2万5千倍の重さがあるのです。それに、こんなに速い自転となれば赤道では時速約35万キロメートルという目のまわる速度になります。 

私たちの地球は時速約1,600キロメートルで速く回っていますが、これらの褐色矮星はその約200倍速くまわっています。

新しく発見されたこれらの褐色矮星は、ふつうの褐色矮星よりも10倍速く自転します。それらを見つけたチームは、そういう天体がより高速で自転すると、やがてバラバラになるかもしれないと結論付けました。 

いいかえると、これらの褐色矮星は何とか形をたもてるギリギリの速度で、これ以上速く自転するとバラバラになってしまいます。

知っ得ダネ

褐色矮星は1995年にはじめて発見され、宇宙で最も熱い惑星であるとも、最も冷たい恒星(こうせい)であるともいえます。2017年の研究報告によると、私たちの天の川銀河には、おそらく1千億個の褐色矮星があります。これは、天の川銀河にあるすべての恒星およそ2千億個の半分になります。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
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