巨大銀河がぶつかる
2021年10月4日

上の画像の左下にぼやけた光のシミが見えますか?これはNGC1427Aという名の不規則(ふきそく)な形をした銀河で不規則銀河といいます。現在、時速220万キロメートルというおどろくような速度で動いています。

やがてNGC 1427Aは、画像の中央にある2つの明るい銀河NGC1399とNGC1404にまともにぶつかります。これらの2つの楕円(だえん)銀河は、私たちから比較的「近い」銀河団である「ろ座」銀河団に属しています。「ろ」というのは、フラスコなどを熱する「炉(ろ)」のことです。今でいえばガス台のようなものです。そして、この銀河は地球からわずか約6千万光年の場所にあります。

NGC1399とNGC1404は、ろ座銀河団の中で最も明るい銀河の1つであり、重力のためにますます接近していきます。おたがいが近づくにつれて、重力はさらに強くなり、画像下にある楕円銀河のNGC1404からガスを「吸い込み」ます。

これらの銀河はすべて、画像では小さく見えますが、だまされないでください。それぞれに非常にたくさんの星があるのです!

この美しい画像は、世界で最も高性能な広視野カメラの1つであるダークエネルギーカメラ(DECam)を使って撮影(さつえい)されました。ふつうのけい帯電話のカメラは10メガピクセルだけど、このカメラは570メガピクセルの性能を持ち、ダークエネルギー・サーベイという計画の一部分となっています。天文学者たちはたくさんのりっぱな成果の中でDECamを使い、ろ座銀河団でこれまで知られていなかった300個近くの矮小(わいしょう)銀河を発見することができました。

画像提供: セロ・トロロ汎米天文台(CTIO) / 国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)/ 合衆国エネルギー省(DOE) / 米国科学財団(NSF) / 全米天文学大学連合(AURA)/ 謝辞:画像処理:TA.Rector(アラスカ大学アンカレッジ校/NSF/NOIRLab)、J.Miller(ジェミニ天文台/NSF/NOIRLab)、M.Zamani(NSF/NOIRLab)&D.de Martin(NSF/NOIRLab)

知っ得ダネ

今回の大規模調査に使われたDECamというカメラは、天文学者が「調査機器(きき)」と呼んでいるものの1つで、南米チリのセロ・トロロ汎米(はんべい)天文台のブランコ4m望遠鏡に取り付けられています。夜空の大きな区画の写真をとるために使われ、研究者が宇宙の構造を全体的に理解するのに役立っています。その観測結果は、後日別の望遠鏡を使ってくわしく研究される興味深い天体を見つけるのに役立つのです。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab
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