岩石質の系外惑星って想像とちがうみたい
2021年11月11日

  天の川銀河の恒星(こうせい)には、周りに惑星(わくせい)がまわっていて、すでに何千個も見つかっています。それらは太陽系の外にある惑星という意味で、系外惑星として有名です。しかし、系外惑星が何でできているかを知ることは、今までずっと難しいことでした。 天文学者は白色わい星の大気に混ざっているものを研究することで、地球のように岩石でできた系外惑星のほとんどが太陽系内のどこにも見られない岩でできていることを発見しました。

  白色わい星とは、私たちの太陽のような恒星がみせる一生の最後のすがたです。恒星は年をとると外側のガスをまき散らし、中心部だったところだけがつぶれた高温の核(かく)として残ります。これが白色わい星です。そして恒星の周りをまわっていた惑星や小惑星からの物質が白色わい星に落ちていくと、白色わい星の主に水素とヘリウムでできていた大気がよごれます。これを“汚染(おせん)された”白色わい星といいます。

  米国科学財団国立光学赤外天文学研究所(NSF NOIRLab)の天文学者スイイ・シュー(Siyi Xu)さんとカリフォルニア州立大学フレズノ校の地質学者のケイト・プチルカ(Keith Putirka)さんは、太陽から約650光年までの23この汚染された白色わい星を研究しました。二人は水素でもヘリウムでもない元素を探して、何が見つかるかを調べました。そしてそれらの元素がどれだけ白色わい星の大気にふくまれているかを測ることで、遠くの死んだ恒星をかつて回っていた岩石惑星を作っていた鉱物や岩石を再現することが可能になったのです。

  そうしたら何がわかったと思いますか? 研究者たちは地球の地かく(地面)にもあるカルシウムやマグネシウム、そして鉄などのほかにたくさんの元素を発見しました。それらを組みあわせると私たちの太陽系にはない岩石さえできるのです。そのため研究チームはそれらの組みあわせた新しい岩石を分類するために、とっても面白い名前を考え出す必要さえありました。

  たとえば、高い熱と圧力によって長い間に岩石から変化したマグネシウム鉱物のペリクレースや、火山岩に見られるケイ酸塩鉱物の輝石(きせき)、そして宝石の材料としてよく使われる結晶(けっしょう)鉱物の石英などは地球上で見つけることができます。でも研究者たちが名づけた「石英輝石(せきえいきせき)」とか「ペリクレース・ダナイト」(ダナイトはかんらん石の一種)などという岩石を、どこか地球上で発見したなどという話は、おそらく聞いたことがないでしょう。

  しかし系外岩石惑星は、そのような新しい組み合わせの岩石でいっぱいです。それらの中には地球上の岩石よりも多くの水をふくむことができるものや、はるかに低い温度で溶けるものもあります。そうするとそのような岩石は、系外岩石惑星の海のできかたや大陸移動などのプレートテクトニクスにどのように影響(えいきょう)をあたえるのでしょうか? これらは科学者にとって次にはっきりさせたい、とても面白い研究対象になるかもしれません。

  ということで、岩石惑星ならばどんなものでも私たちの地球と同じようだと思っているならば、ちょっと考えなおしてみてくださいね!

画像説明:かつての岩石惑星の破片が白色わい星をとり囲んでいる想像図。
画像提供:NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva
画像処理:M. Zamani and M. Kosari (NSF's NOIRLab)

知っ得ダネ

  惑星などの残がいが取りこまれた白色わい星の大気には、マグネシウムが多くシリコンが少ないので、それらの元素は惑星表面からまざったものではなく、惑星の内部からきたものだということが考えられます。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
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