135億年前のメリーゴーランド
2022年7月26日

天文学者たちは遠い昔の銀河もくるくる回るのだということをつきとめました。ビッグバンのたった5億年後の宇宙にあった若い銀河でも、回転していた証拠が見つかったのです!

この宇宙の初期に生まれた銀河は、現在の宇宙にある銀河よりもゆっくりと回転します。たぶんまだスピードが上がっていないのでしょう。このような発見は天文学者にとって、銀河が「子ども時代」にどのように成長したのかを知るための重要な情報です。

私たちの天の川銀河(銀河系)のような現在の宇宙にある銀河は回転しています。でもいったいいつ、どのようにして回りはじめたのでしょうか?天文学者たちはこの「いつ」「どのように」という問いの答えを追い続けています。なぜならそれこそが恒星(こうせい)や惑星(わくせい)だけでなく生命までもが生まれて進化してきた環境(かんきょう)を大きく左右してきたからです。

この宇宙の初期に生まれた古い銀河が実際に回っていることをつきとめるために、早稲田大学(東京)の徳岡 剛史(とくおか つよし)さんと研究者グループがアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波かんしょうけい)を使い観測しました。彼らはMACS1149-JD1という名前にちなんでJD1というニックネームがついたこの銀河を、2か月間にわたって観測し続けたのです。

JD1は天の川銀河と比べるととても小さな銀河です。私たちの天の川銀河がさしわたし10万光年であるのに対してJD1は3千光年しかありません。といってもはしからはしまで横切るのに光速で3千年かかるんですから、けっこう大きいんですけどね。

JD1も天の川銀河よりとてもゆっくりと回転します。JD1の中心が秒速50キロ(流星のスピードより少し速いくらい)で回るのに対して、天の川銀河は秒速220キロ(かみなりの電流の2倍の速さ!)で回っています。

画像; JD1が初期の宇宙でうまれ、回転のスピードをあげているところの想像図

知っ得ダネ

天文学たちはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、JD1をくわしく調べてその誕生についてもっと知りたいと考えています。

This Space Scoop is based on a Press Release from NAOJ .
NAOJ
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