昔の大ばく発
2023年3月21日

 うわっ、見て! 初めて歴史に記録された超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)は、本当だったんだ!

 天文学者のチームは、チリのビクトルM.ブランコ4メートル望遠鏡に取り付けたダークエネルギーカメラ(DEcam)を使って、1800年以上前(西れき185年)に爆発した超新星SN185の輝く(かがやく)残がいをとらえました。この爆発あとに残った天体は、RCW86と名付けられています。

 SN185は、恒星(こうせい)としての一生を終えた白色矮星(はくしょくわいせい)の最後の爆発でした。それは地球から8000光年以上はなれたアルファケンタウリの方向、ちょうどケンタウルス座とコンパス座のさかい目のあたりで起こりました。爆発で残ったものは長いあいだに広がって、今見えるRCW86になりました。それは輪の形になっていて中心から雲が飛んでいるように見えるのが特ちょうです。まるではじけると粉々(こなごな)に飛び散る風船のようです!

 天文学者たちは、ダークエネルギーカメラが広いはんいを一度に観測できる性能を使って、超新星爆発が残した貴重な画像を作ることができました。これまでは、爆発の残がいが時間の経過とともにどのように進化して、どうしてこんなにすばやく広がったのかを理解することは困難でした。

 今回、観測したX線データを研究したところ、残がいには大量の鉄の分子がふくまれていることがわかりました。これは、Ia型超新星の爆発だったということのはっきりとした証こになります。もとの爆発のタイプがわかったことで、天文学者たちは今あるRCW86がどのようにできたのかがより良くわかりました。それは、白色わい星がすぐ近くのなかまの星(多くの恒星は連星になっています)から物質をものすごいスピードでガツガツと食べたとき、同時に高速の風をふき出し、この連星をとりまくまわりの星々のガスとチリをすべて遠くにふき飛ばしたのです。その結果、あたりに空どうのように何もないところができました。そして最終的に白色矮星は超新星として大爆発し、まわりの星々のかけらは高速で飛ばされました。高速で吹き飛ばされたかけらは、幸いなことに穴のように何もないところのあるおかげで、急げきに広がることができたのです。それで今日見られる短い期間に広がった構造が作り出されたというわけです。

 天文学者たちはこの画像を使って、RCW86がどんな形をしていて、どうしてそうなったかを今後もより深く調べようとしています。

画像説明: 1800年以上前の記録に残る爆発した超新星の輝くリング状の残がい。
画像提供: T.A.レクター(アラスカ アンカレッジ大学/NSFのNOIRLab)、J.ミラー (ジェミニ天文台/NSFのNOIRLab)、M.ザマニとD.デマーチン(NSFのNOIRLab)

知っ得ダネ

 SN185は、西れき185年に中国の天文学者によって最初に目げきされました。急に現れたお客さんのように今まで見えなかったところにとつぜん現れやがて消えていったので、古代の天文学者たちはそれを「客星(きゃくせい)」と呼びました。この時はとても明るくかがやき、色あせて消えるまで約8か月間ものあいだ肉眼で見えていたのです!

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab
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