ちょう新星ラジオをきこう!
2023年6月8日

世界で初めて、Ia型超新星(いち・えーがた ちょうしんせい)からの電波が受かりました!それだけではありません。この「特別なラジオ放送」には、白色矮星(はくしょくわいせい)が一体どのように超新星ばく発するのか、という長年のなぞを解くヒントが隠されているかもしれないのです!

Ia型超新星は白色矮星のばく発現象です。白色矮星は、太陽くらいの重さの恒星(こうせい)が、燃料を使い果たした後になるコンパクトな天体ですが、自分だけではばく発しません。しかし、近くに別の恒星がいると、その恒星の外側の物質が白色矮星に流れこんで降着円盤(こうちゃくえんばん)をつくり、その物質を白色矮星がムシャムシャ食べると天文学者は考えています。その物質はふつう水素でできていますが、年をとって外側の物質がなくなった恒星の場合は、ヘリウムが主な成分になることもあります。やがて白色矮星がある体重(質量)に達すると、それ以上食べられなくなってばつ発します。

しかし、おとなりの恒星からの物質全てが、白色矮星に降り注ぐわけではありません。一部は恒星と白色矮星を、雲のように取り囲むと考えられます。白色矮星がばく発する時、取り囲んだ物質を衝撃波(しょうげきは)が通過して大きなエネルギーを与え、物質から強い電波が発せられると研究者は考えています。天文学者はこれまで、このようなばく発による電波を受信したことがありませんでした。

国際研究チームは、2020年にばく発したIa型超新星をくわしく調べました。そうしたら大当たり!まわりを取り囲んだ物質が、主にヘリウムでできていることがわかりました。さらに、世界で初めて、超新星ばく発による電波の受信に成功したのです!天文学者は今後、もっとたくさんのIa型超新星から電波を受けて、ばく発についての理解を深めたいと考えています。

画像:おとなりの恒星から、ヘリウムの多い物質が白色矮星に流れこむ様子の想像図。ばく発前、おとなりの恒星から大量の物質がはぎ取られます。研究チームは、放射された強い電波と、はぎ取られた物質との関係を明らかにしたいと考えています。(クレジット:Adam Makarenko/W. M. Keck Observatory)

国立天文台による日本語サイトあり

知っ得ダネ

a型超新星が、遠い宇宙でのきょりやぼうちょう速度を測る「標準光源(ひょうじゅんこうげん)」として使われているって知っていましたか?これは、Ia型超新星がピーク時にとても明るく、しかもどれも明るさがほぼ同じである特性を使っています。

This Space Scoop is based on a Press Release from NAOJ .
NAOJ

この記事は日本の国立天文台からの報道発表によっています。

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