科学者たちは、私たちが住む天の川銀河(銀河系)にあるどの恒星でも、平均して少なくとも1個のわく星が回っていると見積もっています。太陽から一番近い恒星プロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座プロキシマ星)の周りにも、プロキシマ・ケンタウリb という系外わく星が回っているって知っていました?私たちから4光年はなれたところにあります。プロキシマ・ケンタウリは、アルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星)の3つの星(三重星)のひとつです。
さあ、この記事を片手に、宇宙船スペース・スクープ号で出発しましょう!シートベルトはしめましたか?今日は、スーパーなわく星の探検に向かいますよ!
へびつかい座の方向、太陽系から約48光年はなれたところにある、GJ 1214 b という名前の、変わったわく星(系外わく星)に行きましょう。なぜこのわく星がスーパーに特別なのかって?さあ、いっしょに探っていきましょう!
天文学者はこれまでに、太陽とは別の恒星(こうせい)の周りを回る系外わく星を、5000個以上発見しています。地球より大きく、海王星より小さいわく星もいっぱい見つかっています。天文学者はよく、その系外わく星が地球(アース)より大きいけど、地球のように岩石でできていて、空(大気)に水素が多い「スーパーアース」なのか、海王星(ネプチューン)より小さいけど、天王星のように氷でできていて、大気に水蒸気(すいじょうき)が多い「ミニネプチューン」のどっちなのかについて、よく議論します。
スーパーアースやミニネプチューンは非常に分厚い雲におおわれていて、その下が何でできているのかを調べることがとってもむずかしいのです。まるで「地球人にとってむずかしいパズルを作るのが大好きなんだ」と、ある系外わく星が言っているかのようです。
こういったわく星の正体を知りたいと思った国際的な研究チームは、地球から近い、分厚い雲でおおわれたわく星を探し始めました。そして、研究するのにぴったりな GJ 1214 b を見つけだしました。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)のスーパーな能力を使って、研究チームは、分厚い雲の下に広がる空には、水素が多いのか水蒸気が多いのかを調べ始めました。
いろんな研究結果を総合した結果、おどろいたことに、GJ 1214 b の大気には水素でも水蒸気でもなく、二酸化炭素が多いことがわかりました。まさに、金星(ビーナス)の大気みたいです!この結果は、スーパーアースでもミニネプチューンでもなく、「スーパービーナス」と言える、新しいタイプのわく星があるということなのでしょうか?今後、もっとくわしく調べないとわかりませんね。
画像:中心にある恒星の前を横切る系外わく星 GJ 1214 b の想像図。(クレジット:国立天文台)
科学者たちは、私たちが住む天の川銀河(銀河系)にあるどの恒星でも、平均して少なくとも1個のわく星が回っていると見積もっています。太陽から一番近い恒星プロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座プロキシマ星)の周りにも、プロキシマ・ケンタウリb という系外わく星が回っているって知っていました?私たちから4光年はなれたところにあります。プロキシマ・ケンタウリは、アルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星)の3つの星(三重星)のひとつです。
この記事は日本の国立天文台からの報道発表によっています。