これまでで一番へんてこな惑星が見つかったのかも?
2025年5月6日

天文学者たちは系外惑星(けいがいわくせい)を見つけることに熱中しています。これまで発見した惑星のほとんどは、太陽系の惑星と同じように、ほぼ同じ軌道恒星(こうせい)のまわりを回っています。まるでメリーゴーランドのように、惑星は中心の恒星のまわりを自転しながら回っているのです。しかし最近、天文学者チームは新たな系外惑星(2M1510 (AB) b)を発見し、本当にびっくりしています。

この新しく見つかった系外惑星(けいがいわくせい)は特別です。その軌道は観覧車(かんらんしゃ)の動きに似ているのです!星の横をふつうのメリーゴーランドのように水平にまわるものではなく、この系外惑星は直角にタテにまわっています。しかも、このめずらしい軌道をもつ系外惑星は謎の一部に過ぎません。この新しい系外惑星がどれほどきみょうであるかを理解するには、その恒星をも観察する必要があるのです。

そうなんです。ひとつの星ではなく、二つの星なのです!このきみょうな新しいは、天文学者が連星系という、たがいにまわりあう二つの恒星のまわりをタテに回っているのです。それだけでもまだ物足りないかのように、この二つの恒星はどちらも褐色矮星(かっしょくわいせい)、つまり星の光が私たちの太陽のように明るく「かがやく」ほどは大きくならなかった暗い星々なのです。

このようなユニークな現象をほかにも発見するために、天文学者たちは非常に強力な望遠鏡を必要とします。そのため、研究チームはヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)を使って、この2つの褐色矮星を観測し、惑星の発見を目ざしました。観測を進めるうちに、2つの恒星が軌道上で揺れ動いているのが分かり、イラストに見られるように、タテに回る観覧車のような軌道を持つ系外惑星にしか生じないことが判明したのです。

このへんてこな惑星を発見した天文学者たちは、今もなお別の惑星がほかにないかとさがしていて、さらに刺激的な発見を求め、今までに見つかった連星の周りを調べています。私たちの宇宙は驚きに満ちています。彼らが今後どんな素晴らしい系外惑星を発見するか、これから先も楽しみです。

画像:この図は、2つの褐色矮星(青色)と、通常とは異なるタテの軌道を描く惑星(オレンジ色)の軌道を再現したものです。3つの天体が共通の点を周回し、一つの惑星が二つの恒星の軌道に対して直角に回転しているようすが分かります。 クレジット: ESO/L. Calçada。

知っ得ダネ

これは、二つの褐色矮星どころか、二つの恒星のまわりをこのように奇妙なタテの軌道を描く惑星が存在するという、これまででもっとも有力な証拠(しょうこ)です!まるでスターウォーズのタトウィーンのように、薄暗い太陽をふたつ持つ惑星に住むというのはどんな感じでしょうかね?

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO .
ESO
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