いくつかの二重星は共通の重心の周りを回るのに1日もかからないことがあるのですが、他の星は何千年もかかります。
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天文学者たちは、材料の大部分を吸血鬼の星にすいとられた星のこれまでで最高の写真をとりました。
この写真は、約1.5ヶ月の間をあけて撮影(さつえい)された、共通の重心のまわりを回る大きい星(赤色で表示)と「吸血鬼星(バンパイア)」の星(青色で表示)の位置を示しています。
2つの星の中心は、太陽と地球の距離(きょり)よりほんの少しだけはなれています。太陽と最も近い星とくらべてみても、この距離の約87万倍はなれています。これらの星はとても接近しているので、吸血鬼星はすでに大きい星の質量の約半分を食べています。
天文学者、アンリ・ボフィンさんは次のように語っています。「この二重星がめずらしいことは分かっていて、大きい星の材料が吸血鬼星へと流れていました。しかし、これが起こっているようすは、天文学者が考えていたこととは異なります。
新しい観測によると、大きい星は、以前天文学者たちが考えていたより少し小さかったのです。これは、2つの星の間のギャップをうめるのに十分な大きさではないことを意味します。実際には、この星の大きさはこの距離の4分の1しかありません。吸血鬼星がすいとられた星に届くことができないので、大きい星が小さな仲間にどのように材料をすいとられたかを説明することはできません。
天文学者たちは今、吸血鬼星に材料をうばわれるのではなく、実際に大きい星が自分で材料の一部を捨てると考えています。小さな相方の星は、気のよい吸血鬼のように、大きい星からやってきたものを食べるだけです。
いくつかの二重星は共通の重心の周りを回るのに1日もかからないことがあるのですが、他の星は何千年もかかります。