これらのジェットは、周りの冷たく黒い雲にくらべて小さく見えます。しかし、それらは実際は、私たちの太陽系全体の大きさの数百倍にもなります!
赤ちゃんは、飛行機に長い時間のっている時や、朝の早い時間には、ぐずることがありますが、ふつう、赤ちゃんが回りに危険をあたえることはありません。星の赤ちゃんの場合はそうではありません。若い星は、ものすごいあばれものです。信じられないスピードで物質を吹きだします。このようなものをジェットといい、その速さは時速数1000kmにもなります。このジェットが若い星の周りにあるガスやチリにぶつかると、明るい光のかたまりを生み出します。このような天体をハービッグ・ハロー天体と呼び、これらはおよそ1000年ほど輝きます。この写真はそれを拡大して見たものです。あなたはその見事なジェットの流れが、ちょうど花火ショーのように空間を横切っているのがわかるでしょう。星は、生まれたぞ~という誕生のお知らせを送ることについては、はずかしがりやではありませんね!
写真の左側に見えるピンク色と紫色のジェットは地球の方に向かっていますが、そのほかのジェットはよそへサッと行ってしまいます。私たちからはなれて行ってしまうジェットは、この天体のほかの写真では、宇宙のチリに視界をさえぎられて、ほとんど目には見えません。今回のアルマ望遠鏡による新しい写真は、ついにそのようすを、素晴らしい黄色と緑色でくわしく示しています。この写真はまたべつのことも明らかにしています:これらのジェットは、天文学者が予想していたよりもエネルギッシュです。実際に、それらのジェットは、時速100万km以上ものスピードで宇宙空間をビュンビュンとんでいきます。もしもあなたがそのように速く移動することができれば、あなたは20分以内に自分の家から月まで行くことができます!
これらのジェットは、周りの冷たく黒い雲にくらべて小さく見えます。しかし、それらは実際は、私たちの太陽系全体の大きさの数百倍にもなります!