画像2は宇宙から見た地球全体の写真です。これは、1968年にアポロ8号の宇宙飛行士によって撮影されました。アポロ8号は人類が最初に月まで行った有人宇宙船で、乗組員たちは安全に地球にもどる前に、月の周りをまわっていました。そして地球の全体をながめた最初の人類だったのです。
長い間、人々は地球は平らで、もしずっと遠くまで船で行くと、はじっこで落っこちてしまうと信じていました。そんなふうに考えてきたのって、おかしいですよね。だって今なら幸運にも、私たちには地球全体の写真があるから、その形を知ることができるんですもの(写真2)。でもこのような写真をとるためには、とってもすごい、昔の人たちには無かった技術を使っているんです。もし地球全体を見ようと思ったら、地球からおよそ20,000km離れなければならないって、知っていましたか?
では、星が3000億個もある天の川銀河(私たちの住む銀河)の全体を写真に一回でおさめようとするならば、どのくらい遠くまで離(はな)れなければならないか、考えてみて下さい。これは今のところ私たちの能力をこえていますが、天の川銀河を部分的に撮(と)ることならできます。このチャンドラX線天文台で撮った写真は、天の川の中心を写しています。これは銀河のなかで最も危険で、混沌(こんとん)とした部分で、超巨大ブラックホールのすみかです。
どんなモノでもブラックホールに近づきすぎると、とっても強い力でその中に引きづりこまれて逃げ出すことはできません。この、近づきすぎて逃げ出すことができなくなる距離を「事象の地平線」といいます。ここを越えると光でさえ、もどることはできません。ブラックホールという怪物が永遠に引っぱってしまうでしょう。この写真に見える青色のもやは、「すごく熱いガスの流れ」をふくんでいますが、私たちの銀河の中心の巨大ブラックホールによる危険な「事象の地平線」近くに浮かんでいます。しかし天文学者たちは、このガスのほんのチョッピリがブラックホールによって呑(の)みこまれていることを発見しました。そして残りのガスはブラックホールに近づきすぎる前に、はき出されているのです。
画像2は宇宙から見た地球全体の写真です。これは、1968年にアポロ8号の宇宙飛行士によって撮影されました。アポロ8号は人類が最初に月まで行った有人宇宙船で、乗組員たちは安全に地球にもどる前に、月の周りをまわっていました。そして地球の全体をながめた最初の人類だったのです。