ハッブル宇宙望遠鏡では見ることができなかった新しい銀河が、25個以上ミューズ・カメラで発見されました。それらの多くは、およそ130億年前の銀河です。10億とは、なんとゼロが9個もならぶんですよ。
この記事はESOからの発表報道によります。
ミューズ・カメラで 銀河を探しましょう。 いろんな銀河が見つかるよ。
あなたは、これまでに夜遅く通りを歩いていて、遠くの光を見たことがありましたか?はじめは、その光が車か自転車か、または人が持つ懐中電灯かどうか見きわめるのはむつかしいですよね。これは、その光が遠ければ、ぼんやりと見えてしまうからです。それで、自動車のヘッドライトは、小さな懐中電灯より非常に明るいのだけれど、もしも自動車が懐中電灯より遠くにあれば、二つは同じ明るさに見えますね。
同じ理由から、非常に遠い宇宙の明るい銀河は、私たちがスナップ撮影された画像を見てもほとんど見わけるのは不可能となります。しかし、夜空で望遠鏡を向けて、長い間カメラのシャッターを開いたままにすることで、私たちはよりたくさんの光を集めることができ、よりかすかな天体を見ることができます。
1995年に天文学者は、ハッブル宇宙望遠鏡が夜空のある場所に向けられたとき、100メートル先に置いたテニスボールを見ているかのような小さな範囲を見ているものでした。完ぺきに何もない空の一角を見ていると思っていましたが、35時間連続で宇宙のこの狭い場所をじっと観測した結果、望遠鏡はすばらしいものをあきらかにしました。
この写真には、ちょうど宇宙のこのまさにちっぽけな場所ですら、何千もの巨大な、星がいっぱいの銀河が写っていました。このすばらしい結果は、完全に宇宙について私たちの知識を変えてしました。
でも、画像がすべての答えを教えてくれるわけではありませんでした。これらの新発見の銀河についてもっと知るために、天文学者は別のカメラで慎重(しんちょう)にそれぞれの銀河を見たかったのです。それにはMUSE(ミューズ)という1台のカメラが、空の一角の新たな観測に用いられました。
ミューズを動かしている天文学者たちにとって、観測は深い水の中で釣りをし、新しい獲物(えもの)という、彼らが見つけていた初期の小さな銀河の種類について興奮(こうふん)した議論(ぎろん)ができました。新しい観測は27時間つづき、たくさんの新しい情報を明らかにしました。天文学者は、何百もの遠い銀河の距離や動き、どんな化学物質があるかをあきらかにすることができました。
ハッブル宇宙望遠鏡では見ることができなかった新しい銀河が、25個以上ミューズ・カメラで発見されました。それらの多くは、およそ130億年前の銀河です。10億とは、なんとゼロが9個もならぶんですよ。
この記事はESOからの発表報道によります。
Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory