地球を深くしらべるために磁石を使います
2016年10月17日

宇宙は危険な場所で、焼けるような星や有害な宇宙線や巨大な飛びかう岩でいっぱいです。でも、こわがらないでくださいね。太陽系のなかでも地球がいちばん安全な場所なのです。というのも、いのちをまもる驚くべきたくさんの自然の力を持っているからです。その中でも一番なのが地球の磁場(じば)です。

磁場というのは、磁石の回りにできた目に見えない力の空間のことです。この場合の磁石は地球の中心にある核(かく)になります。この磁場は、太陽からやってくる、私たちを攻撃する有害な宇宙線から、地球を守ってくれます。

私たちが宇宙のシールドを理解しやすく、そのふるまいを予測できるように、Swarm [スウォーム:群れ]という名のひと組の衛星が、2013年に宇宙に打ち上げられました。Swarmは、地球の磁場を研究するため共にはたらく3体の人工衛星からできています。

ちょうど2、3年以内に、Swarmはいくつかの目を見はるような成果をなしました。海によってできたわずかな磁場をはじめて測定しました。

しょっぱい海水が地球の磁場の中を流れることで、海水による磁場が生まれます。しかし、発見されたのはこれだけではありません。

病院でおこなわれるMRI検査は、私たちの体の内部を研究するために、皮膚の下をくわしく調べます。似たような方法で、Swarm衛星は海底下250kmの、地表面下のようすを調べるため、海がつくる磁場を使いました。

私たちの惑星の地下深くについて探る方法はそうたくさんはありませんが、Swarm衛星は地表面深くでおきている神秘をついにあきらかにしたのです。

 

 

 

 

 

知っ得ダネ

地球の磁場の影響は、ほぼ6万kmの宇宙にひろがっています。これはじょうだん抜きに遠いですよね。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESA .
ESA
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