少なくとも3種類のブラックホールがあり、原子の大きさから太陽よりも10億倍以上大きいものまであります。一番多いのは、この球状星団で発見されたような、中くらいのブラックホールで、太陽よりも約4倍重いものです。
ダンスをしているように見えた星から、ブラックホールの存在が見えてきました。
科学者たちは、思いもよらない場所、つまり地球から遠くはなれた宇宙で「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」のTV番組の新しい挑戦(ちょうせん)者を見つけました。
何千こもの星の集まっている星団の深いところで、ある星がほかからきわ立っています。それは複雑なパターンで宇宙を行ったり来たりしていることを発見した天文学者たちの目を引きました。ステージのダンサーはパートナーにたよっていますが、この星は、しとやかなステップで目立っていました。
この星にはパートナーがいますが、こちらからは見えていません。ブラックホールが、この星団のたくさんの星の中にかくれひそんでいるのです。(写真の中央付近にあります)
ブラックホールは光を放つものではなく、直接見ることができません。しかし、その周りの宇宙で何らかの効果を見ることができます。星のダンスのような動きは、ブラックホールの周りの道すじを示しています。
ブラックホールを見つけるのはむずかしいですが、ブラックホールが、宇宙にはふつうにあります。でも、球状星団にはめずらしいのです。この大きさのブラックホールが球状星団の星を踊(おど)らせているのが初めて観測されました。
球状星団は、数万個の星が集まった巨大な球(たま)のようです。天の川銀河のまわりに群れていて、宇宙で最も古い星たちの一つです。これらの星団のきわ立った大きさと年れいから考えて、球状星団には、今回の例のように、太陽の質量の約4倍のブラックホールがたくさん生まれていると考えられます。
しかし、ブラックホールが球状星団では非常にまれであることが証明され、最近まで科学者たちは、ブラックホールができた直後に球状星団から追い出されえなければならないと考えていました。今回の発見は、ダンスパートナーのブラックホールがいなくなって、この星にとってうれしいことではなかったのでしょうね。
少なくとも3種類のブラックホールがあり、原子の大きさから太陽よりも10億倍以上大きいものまであります。一番多いのは、この球状星団で発見されたような、中くらいのブラックホールで、太陽よりも約4倍重いものです。