ブラックホールの朝ごはんは何でしょう?
2019年12月20日
私たちは、朝食にごはんとおみそ汁(しる)だったりシリアルやトースト、フルーツ、卵などを食べますね。もちろん、宇宙の最大級の天体だって、朝ごはんに何かを食べなければなりません。
ブラックホールの朝ごはんはガスとチリで、宇宙で最も初めのころに生まれたブラックホールは、それをたくさん食べました。
ブラックホールに近づきすぎるものは、すごく強い力でブラックホールに引っ張られ、にげだすチャンスはありません。そうして得られた材料が引きこまれるにつれ、ブラックホールの大きさはどんどん大きくなります。
天文学者のチームは最近、宇宙で最も初期に生まれたいくつかの銀河の周りの冷たいガスのたまった場所を観測しました。これらは、実は、銀河の中心にある超(ちょう)きょ大質量ブラックホールを大きくするのにぴったりな食べ物なんです。
この食料貯蔵(ちょぞう)庫のような場所があるということは、宇宙が誕生(たんじょう)するはじめのころに、これらのたっぷりな食料を食べて、ブラックホールがいかに速く成長したかという説明ができるかもしれません。
天文学者は宇宙の遠いところを観測しています。遠いところからの光は届くのに時間がかかるので、その分、過去の姿ということになります。この写真に写っているものは、125億年以上前にあったブラックホールの食べ物から出た光が長い時間宇宙を旅して、今、地球で観測されたのです。
知っ得ダネ
ブラックホールに対するものとして、ホワイトホールというものがいわれています。何ものも、たとえ光さえもホワイトホールに入ることはできませんが、物質はそこから逃げだすことができるというものす。でも、これはSFの世界だけのことです。本当の宇宙には、おそらくホワイトホールは存在しません。ホワイトホールは、たいへんむずかしい数学の問題を解くと、こんな答えも出てくるというひとつの考え方です。
This Space Scoop is based on a Press Release from
ESO
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