アルマ望遠鏡は南米チリ北部にあるアタカマ砂ばくにあり、66台のアンテナを組みあわせた、きょ大な電波望遠鏡です。波長がミリメートル(砂つぶくらいの大きさ)かもっと短い電波を観測します。このような電波は、私たちの天の川銀河や、もっと遠い銀河の中の、とても冷たいところから届きます。こういう電波を調べることで、星の保育園—星々が生まれているガスやチリのこいところ—の物理・化学状態を知るヒントになるかもしれません。
これまでの「星の巣」の研究から、私たちが住む天の川銀河(銀河系)の中心部では、星はほとんど生まれないと考えられていました。かんきょうが厳しすぎるからです。
しかし、つい最近のアルマ望遠鏡を使った研究から、そうではないことがわかりました。天の川銀河の中心でも、星の卵がかえるのです!
星をつくるレシピ
星が生まれるためには、ガスとチリでできた雲と、その中のこい部分が自分の重さでつぶれるだけの非常に強い重力が必要です。
天の川銀河の中心には、ガスとチリが重力でグシャッとつぶれにくくする要素がたくさんあります。ガスを支えている強い磁場や、こい部分がちぢむのをジャマする乱流などがあるため、天文学者は銀河中心では簡単に星が生まれないと思っていたのです。
びっくり、どっきり
しかし、日本の国立天文台のシン・ルーさんの研究チームがアルマ望遠鏡で観測すると、銀河中心に、こいガスとチリのかたまり—星の卵—が800個以上見つかったのです。
この発見から、これまでに考えられていたより赤ちゃん星は、ずっとじょうぶだとわかりました。天の川銀河の中心のような厳しいかんきょうでも、ちゃんと生まれ育つのですから。天文学者は今、細かい部分まで見えるデータをながめながら、このような「星の保育園」のでき方をもっとくわしく理解しようとしています。
この画像は、天の川銀河の中心にある星の卵からふき出たガスを表しています。青色は私たちに向かって、赤色は私たちと反対側にふき出ているガスが見られた場所です。
画像提供:アルマ望遠鏡(ESO/NAOJ/NRAO)、ルーら
アルマ望遠鏡は南米チリ北部にあるアタカマ砂ばくにあり、66台のアンテナを組みあわせた、きょ大な電波望遠鏡です。波長がミリメートル(砂つぶくらいの大きさ)かもっと短い電波を観測します。このような電波は、私たちの天の川銀河や、もっと遠い銀河の中の、とても冷たいところから届きます。こういう電波を調べることで、星の保育園—星々が生まれているガスやチリのこいところ—の物理・化学状態を知るヒントになるかもしれません。
この記事は、日本の国立天文台からの報道発表によっています。