惑星はふつう、若い恒星をとりまく大きなガスとちりの円ばんがつぶれていく時に作られます。恒星は周囲の円盤よりも重いので、中心の恒星の重力に引かれてまわりのガスだけが長い間に恒星に取りこまれます。あとにとり残されたちりはどんどんたがいにくっつき増えていき、ついには惑星の赤ちゃん(科学者はこれを「微惑星(びわくせい)」と呼びます)ができ、ついには惑星として形づくられます。
あなたはテレビのニュースや映画で、実際に火山の噴火(ふんか)を見たことがありますか?最近噴火したスペイン領のラパルマ島の火山や、日本の桜島の噴火について聞いたことがあるかもしれませんね。その時、溶岩(ようがん)と火山灰のことに気づきましたか?火山の周りにいっぱいふり落ちた火山灰のことですよ。
同じようなことが若い恒星(こうせい)にも起こっているかもしれません。できたばかりの若い恒星を私たちの火山として想像してみてください。若い恒星は、溶岩や火山灰のかわりに、いずれもどってくるガスやちりをふき出し、そのまわりに新しい惑星(わくせい)ができるように惑星のもとになる材料をためます。天文学者は初めて、この一連の流れがどのようなものかを示す3Dシミュレーション(コンピュータで本当にあるように計算すること)を作りました。
恒星のまわりをぐるっと取り囲むちりやガスの輪は、若い恒星のまわりにできた惑星の<重力>が引き寄せて作られるものだと考えられてきました。しかし、ちょっと不思議なことがあるのです。このことを、私たちの太陽系になぞらえて話すなら、天文学者は私たちの太陽から遠くはなれている海王星よりもさらに遠くにそのような輪を見つけたのです。ここまではなれれば、恒星の近くよりもはるかに少ない量のちりの量になるはずです。では、どのようにして惑星が恒星の外側のはなれた場所に実際に形成されるのでしょうか?
そこでスーパーコンピューターATERUIⅡ(アテルイ・ツー)を使っている日本の天文学者が、中央の星が実際にこのガスの一部とちりを反対方向にふき出した結果、恒星のちりが大変遠くまで飛んでいくのを確かめました。この時、ガス・ジェットが円盤(えんばん)の「上」と「下」(円盤を横から見てその上下)にふき出すと考えてください 。上下からの「二重の」火山灰がふり落ちるように、ガスとちりは円盤の外側の周へん部分に重力によって引きもどされます。スゴイ光景でしょう。
画像クレジット:鹿児島大学
<国立天文台の日本語サイト> https://www.nao.ac.jp/news/science/2021/20211214-cfca.html
惑星はふつう、若い恒星をとりまく大きなガスとちりの円ばんがつぶれていく時に作られます。恒星は周囲の円盤よりも重いので、中心の恒星の重力に引かれてまわりのガスだけが長い間に恒星に取りこまれます。あとにとり残されたちりはどんどんたがいにくっつき増えていき、ついには惑星の赤ちゃん(科学者はこれを「微惑星(びわくせい)」と呼びます)ができ、ついには惑星として形づくられます。