引きあっておどる銀河たち
2022年5月5日

  科学者たちは、2つの銀河が美しくダンスをしている新しい画像をとらえました。大きなうずまき銀河NGC1512と、そのとなりにある小さな銀河NGC1510の画像です。この2つは私たちから6000万光年ほどはなれていて、南半球で見える「とけい座」の方角にあります。

  この画像では大きなNGC1512がおとなりの小さな銀河NGC1510にうでをのばして触(ふ)れようとしているのがわかります。2つの銀河をつなぐ光の流れのような星々は、2つの銀河の間に働く重力のため、これらの銀河がおたがいに引きあっていることを示しています。この引きあいは、何と4億年も続いているのです!

  重力によっておたがいが引き合うことは、それぞれの銀河の星ができる速さに影響(えいきょう)してきました。そして銀河そのものの形をも変化させてきたのです。今後、遠い将来、これらの銀河は引きあった末、1つの大きな銀河に合体することでしょう。

  今回の画像は、世界で最も強力なカメラの1つであるダークエネルギーカメラ(DECam)を使って撮影(さつえい)されました。このカメラは、南米チリのセロトロロ汎米(はんべい)天文台にあるブランコという4メートル望遠鏡に取りつけられています。

画像提供:ダークエネルギーサーベイ/ DOE / FNAL / DECam / CTIO / NSF's NOIRLab / NSF/AURA.
画像処理:T.A.レクター(アラスカ大学アンカレッジ校 / NSF's NOIRLab)、J.ミラー(ジェミニ天文台/ NSF's NOIRLab)、M.Zamani&D.de Martin(NSF's NOIRLab)

 

知っ得ダネ

  ダークエネルギーカメラは、その設計から建設までに2004年から2010年までの6年間かかりました。これは国際プロジェクトの1つのダークエネルギーサーベイ(ダークエネルギーの調査)のために開発されたものです。そして今までに数億この銀河を観察して宇宙の地図を作ったり、数千この超新星(ちょうしんせい)を発見しました。これによって私たちはダークエネルギーについてのより深い理解や、加速している宇宙の膨張(ぼうちょう)へあたえる役割をよりよく理解することができるでしょう。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab

この記事は、米国科学財団の国立光学赤外天文学研究所(NSF's NOIRLab)の報道発表によります。

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