おどろいたぁ!銀河を移動する星たちがいた
2023年2月28日

人生、何がおきるかわかりません。エキサイティングなこともいつやってくるかわかりません。時には、荷物をまとめて別の町や新しい国に移動する必要がある時もあります。どうでしょう、これはあなただけのことではありません。星にもあることなのです。

米国の国立科学財団(NSF)の国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)の天文学者チームが、たくさんの星がアンドロメダ銀河へと移動していることを示すショッキングな新しい手がかりを発見しました。アンドロメダ銀河は銀河系のおとなりの、別の銀河です。これは、鳥の群れが食べ物と寝床(ねどこ)を求めて別の場所に移動する渡り鳥と同じです。
 
何十億年もの間、銀河は成長し進化しながら新しい星もつくります。時には、2つの銀河がぶつかり、別の銀河と「合体」してひとつになることさえあります。これら一連の流れを、天文学者は「銀河移民」と名づけました。

天文学者は、星ぼしが銀河とそのまわりを囲むハローをどのように移動するかを研究することで、これらの銀河移民がどのようにして起きるかを調べることができます。たとえば、ある銀河の星がどの銀河から来たのか、どのようにして別の銀河に移動したのかなどがわかります。このような研究は、これまでは天の川銀河(銀河系)でのみ可能でした。

米国アリゾナ州キットピーク国立天文台(KPNO)にあるメイヨール4m望遠鏡のダークエネルギー分光装置(DESI)を使用して、天文学者は同じような研究を行いました。チームは、アンドロメダ銀河の内側のハロー(銀河円ばんを包みこむように非常に古い星などが丸く分布している部分)にある約7500個の星の動きを観測することで、これらの星が別の銀河から来たことを確認するきざしを確認しました。それだけでなく、天文学者は、この銀河間の移動現象が約20億年前に起こったことも発見しました。

たくさんの歴史的な証こを発見した天文学者たちは、現在、アンドロメダ銀河の周辺にあるたくさんの星を探そうとしています。こうして、銀河間の星の構造と移動をたいへんくわしく研究することができます。

画像について:米国国立科学財団(NSF)の米国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)の天文学者が率いる研究者によって、アンドロメダ銀河への星の大量移動している印象的な新しい証こが発見されました。この画像のそれぞれの点は、アンドロメダ銀河のそれぞれの星を表しており、銀河に対する星の動きは、こちらに向かっている星を青に、遠ざかっている星を赤に色分けされています。
画像提供: KPNO/NOIRLab/AURA/NSF/ E.スラウィク / D.デ・マルタン / M. ザマニ
 

知っ得ダネ

天の川銀河のハローにある星のほとんどが、別の銀河で作られたことは知ってました?二つの銀河が約80億年から100億年前に合体したとき、星ぼしは天の川銀河に移動しました。私たちの天の川銀河のような銀河は、何十億年にもわたって宇宙にあるたくさんの小さな銀河が集まってできたのです。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab
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