たとえばバクテリアのように、地球上にもきびしい環境で生きている生物がいます。そんな生物を「極限微生物(きょくげんびせいぶつ)」と呼んでいますが、私たちは宇宙のもっときびしい環境でも生きている極限微生物を、ほかの星に見つけることができるでしょうか?
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地球上にはいくつかとんでもない所があります。凍(い)てつく北極や南極、太陽からの光がとどかない深海、灼熱(しゃくねつ)の火山の中などです。しかしこれらの場所は、どれも今までに宇宙に見つかった系外惑星のきびしさとはくらべものになりません。
例えば、X線宇宙望遠鏡チャンドラを使って、天文学者は最近太陽系から遠くはなれた別の惑星系を発見しましたが、その惑星は、中心の恒星(こうせい)から放射されるX線にはげしくさらされています。このX線の放射は、地球がその最も近い恒星である太陽から受ける放射線の量よりも10万倍も強いのです!
この惑星は私たちの太陽系の外で発見されたので「太陽系外惑星」、短く言って「系外惑星」と呼ばれています。今回チャンドラが発見した系外惑星はとても大きくて、木星の約3倍、地球の1000倍も重い惑星です。しかもこの惑星と親星との距離(きょり)は地球と太陽との距離よりもはるかに短く、したがってこの惑星はとても強いX線放射に直接さらされています。
この系外惑星についてもっとくわしく知ろうと、天文学者は宇宙望遠鏡チャンドラの観測と、地上にあるVLTという大きな望遠鏡での観測とを組みあわせました。それで明らかになったことは、X線の放射は一秒ごとに約500万トンの物質をこの惑星からこわしているのです! 天文学者セバンスチャン・シュローターは、「この惑星は、親星によって完全にからあげ状態にされている」と言っています。
たとえばバクテリアのように、地球上にもきびしい環境で生きている生物がいます。そんな生物を「極限微生物(きょくげんびせいぶつ)」と呼んでいますが、私たちは宇宙のもっときびしい環境でも生きている極限微生物を、ほかの星に見つけることができるでしょうか?