うみへび座にあるM83銀河のブラックホールは、以前は並のブラックホールだったのに、現在は超強力なブラックホールになり、3千倍以上のX線を出しています。
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ブラックホールは、重たい星が信じられないほど小さな空間に詰め込まれた時にできます。たとえば、地球をビー玉くらいの空間まで小さくするようなものです。このようにたくさんの物質を小さくすると、ブラックホールにはすごく強力な重力が生じます。 そばに寄ると光だって永遠に出てこられないくらいです。
ブラックホールという危険地帯の周りでは、ブラックホールに永久に消えてしまう前に、近くにある物質はものすごい速さで引っぱられます。この時早く動いている物質は、天文学者たちが宇宙に浮かぶ特別な望遠鏡を使って観察できるX線を放出するので観測できるのです。
もちろん、スーパーヒーローの出す放射線の量にも限界があるはずです。しかし、最近、天文学者たちは、ブラックホールの周りにありえないほどの量のX線を放出する場所を発見しました。上の写真のM83(メシエ83)という銀河のある部分で、天文学者がこんな気味悪いほど強力なブラックホールを発見しました。
天文学者たちは、まだこれらのブラックホールがなぜこんなに超強力なのか十分にはわかっていませんが、並のブラックホールよりもかなり重いようです。重いブラックホールは、より小さいブラックホールよりも多くの物質を引きこむことができます。すると、よりたくさんのX線を作ります。太陽の数倍重い、並のブラックホールになるかわりに、100倍も重い超強力なブラックホールになることもあるのです。
うみへび座にあるM83銀河のブラックホールは、以前は並のブラックホールだったのに、現在は超強力なブラックホールになり、3千倍以上のX線を出しています。