冥王星は地球から60億キロはなれたところにあります。光の速さでだいたい5時間かかります。もちろんこの写真に写っているX線も、5時間かけてやってきます。
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X線は、目で見ることはできないものの、普通の光より強力なエネルギーを持っています。より強力なエネルギーをもっているX線は、普通の光は通りぬけることのできない木材やプラスチックなどの物体も通り抜けることができます。
X線のこの能力は本当に役に立つんです。たとえば人の皮膚や筋肉を通りぬけることができるので、お医者さんがその下にかくれている骨を見ることができます。 X線はまた、天体の観測にも役立ちます。病院では骨のシルエットを見せてくれるX線ですが、天文学の分野ではX線を出している天体そのものを写真に写すんです。
この写真は、私たちの太陽系の外側の端っこにいる準惑星、冥王星です。左の画像は普通の光で見える冥王星、右の青くてぼんやりした円は冥王星から出ているX線を写したものです。
そもそも冥王星がX線で見られるなんて驚きです。冥王星のような、冷たくてごつごつした環境には、こんな強力なX線は作り出せないはずなんです。科学者たちは、太陽のしわざではないかと考えています。
太陽は熱や光を出しているだけではありません。粒子の流れも太陽から出ています。これらの粒子が惑星の大気とぶつかると、X線が発生します。
この謎を解くには、もっとはっきりした、くわしい画像が冥王星から届くのを待つほかはありません。ただ、ひとつ可能性があるのは、すい星のようにガスのしっぽが冥王星のうしろにくっついているのかもしれないということです。
冥王星は地球から60億キロはなれたところにあります。光の速さでだいたい5時間かかります。もちろんこの写真に写っているX線も、5時間かけてやってきます。
この記事は「チャンドラX線観測衛星」の発表報道をもとにしています。