夕暮れ時や日没(にちぼつ)直後または日の出前のわずかな時間は、特に水星や金星もふくめて、私たちの地球よりも太陽に近い小惑星を見つけるのに最適な時間です。今年発見された小惑星2021 PH 27は、軌道がすべて地球軌道の内側をまわっている「アティラ群」という小惑星グループの20個のうちのひとつです。
ほんの数日前、天文学者はおどろくべき発見をしました。宇宙をただよう他のどの天体よりも太陽に近い小惑星(しょうわくせい)を見つけ、2021 PH 27と名付けました。
チリのセロ・トロロ汎米(はんべい)天文台のブランコ4m望遠鏡のダークエネルギーカメラ(DECam)を使って、太陽からわずか2,000万キロはなれた太陽のまわりをまわる岩石天体を発見しました。この岩石天体は、太陽のまわりをわずか113日でひとまわりする、太陽系で一番速い小惑星になります。
私たちの地球は、太陽から約1億5000万キロメートル離れているため、太陽の周りを完全に「一周」するのに1年または365日かかります。地球は、この小惑星2021 PHより7倍以上遠いところをまわっているのです。
今年の8月中ごろ、天文学者のスコットS.シェパード(カーネギー研究所)、イアン・デラントニオ、シェミン・フー(ブラウン大学)は、暗黒物質と銀河が、私たちの近くの107個の銀河群または銀河団の中にどのように分布しているかを研究していました。その研究とは別に、地球近くのすごく小さい小惑星のような天体を探し始めたときに、この小惑星2021 PH 27を見つけたのでした。
この発見がまちがいないかを確かめるためには、別の天文台のチームが小惑星を確認することが重要でした。ハワイ、チリ、南アフリカの天文学者たちはこの発見を、まちがいないと確認しました。この天体は、私たちが知っている他のどの小惑星よりも太陽に近い直径1キロメートルの大きさの小惑星です。
天文学者たちは、小惑星2021 PH 27の軌道(きどう)は、長期間でみても不安定なので、やがては水星や金星、または太陽とぶつかるかもしれないと考えていますが、数百万年かけなければわからないため、今確かめるることはできません。
この小惑星の起源についてもっと知るためには、天文学者はもう少し観察する必要があります。そしてまた、私たちの地球にぶつかるかも知れない地球近傍(ちきゅうきんぼう)小惑星についていろいろと教えてくれます。
この画像は、太陽(左)小惑星(右上)と水星(下)をえがいています。
画像提供: CTIO / NOIRLab / NSF / AURA / J.da Silva
セロ・トロロ汎米天文台 / アメリカ科学財団の国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)/ 全米科学財団(NSF) / 全米天文学大学連合(AURA)/ J.ダシルバ(Spaceengine)
夕暮れ時や日没(にちぼつ)直後または日の出前のわずかな時間は、特に水星や金星もふくめて、私たちの地球よりも太陽に近い小惑星を見つけるのに最適な時間です。今年発見された小惑星2021 PH 27は、軌道がすべて地球軌道の内側をまわっている「アティラ群」という小惑星グループの20個のうちのひとつです。